日本雑誌協会、改正児童ポルノ法成立に「断固抗議」 「表現規制につながる危険性がある」
児童ポルノの単純所持を禁止する児童ポルノ禁止法改定案が成立したことについて、日本雑誌協会が抗議声明を発表した。改正法は「表現規制につながる危険性がある」と懸念している。
児童ポルノの単純所持を禁止する改正児童ポルノ禁止法が6月18日、参院で可決、成立したことについて、日本雑誌協会は18日、抗議声明を発表した。改正法は「表現規制につながる危険性がある」と懸念し、「十分な審議が尽くされないまま可決、成立したことに断固講義する」としている。
改正法では、自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノ(デジタル画像含む)を所持した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金とする刑事罰を導入する。国外犯も処罰対象となる。
協会は、「『性的虐待を受けた児童の記録』は厳しく取り締まられるべきであることに、異論はない」としつつも、「『児童ポルノ』の定義が依然あいまいなまま単純所持が禁止されたことは、児童保護という本来の目的から大きく逸脱し、表現規制につながる危険性があり、到底容認できない」と訴える。
さらに、「児童ポルノ」という「誤解を招きやすい呼称」のままで規制強化が実施されれば、「本来、失われるべきではない表現や出版物までもが失われてしまう恐れがある」と懸念。「自由な表現は、表現されたものを所持する自由があってこそ初めて成立する。その自由をいたずらに脅かし規制することは、出版文化のみならず日本の活力をも奪いかねない」と指摘している。
また、「児童ポルノを製造・所持・運搬」する行為も従来通り処罰の対象となっており、「出版流通システムに多大な影響を及ぼす危険性さえある」と懸念。改正案は十分な審議が尽くされないまま可決、成立したとし、「断固抗議する」としている。
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