KDDI、auスマートパスとau WALLETの連携強化 「ネットとリアルをより密接に」
KDDIは「auスマートパス」「au WALLET」を中心としたサービスを拡充する。リアルとネットを横断した利用を促す。
KDDIは8月28日、「auスマートパス」と電子マネー「au WALLET」の連携を強化すると発表した。限定クーポンの配布やリアルとネットを横断し、よりユーザーの生活との接点を増やす狙いだ。
クーポンやコンテンツをスマホ向けに配信する「auスマートパス」は1100万人、店舗を問わず利用金額に応じてポイントがたまる電子マネーカード「au WALLET」は500万人を超えるなど順調に拡大。巨大なユーザー基盤の上でより相乗効果を高めるためにリアルとネットを横断したO2O(Online to Offline)の取り組みを加速していく。
まず、au WALLETで支払うことで通常よりポイントが多く付与される「ポイントアップ店」で使えるスマートパス会員限定クーポンを拡充。マツモトキヨシや牛角などが対象で、28日から順次配信を始める。
スマートパス会員向けに、旅館などの宿泊予約で割り引きとWALLETポイント付与が受けられるサービスも9月5日に開始。宿泊予約サイトの「一休」と提携し、今冬には「relux」も加わる。提携サイトは順次拡大する。
スマートパスアプリにはサイドメニューを新設し、スマートパスとWALLETを横断的に利用できるようにする。定額コンテンツ配信「アニメパス」「ブックパス」などの各サービスにもサイドメニューを設け、サービス間の回遊を促していく。
新技術として「iBeacon」に注目。ライブ会場やイベント会場での利用を見込み、ポスター前でスペシャル画像の配信、ドリンク無料クーポンをゲット――など、auのエンターテインメント分野とのつながりの強さを生かし、スマホ向けならではの会員向けコンテンツを充実させたいという。
定額コンテンツ見放題サービスでは、映画やドラマを扱う「ビデオパス」を重点的に強化する。テレビ東京の人気番組「ワールドビジネスサテライト」の見逃し配信を始めるほか、特にニーズの高い邦画のラインアップを現在の280本から1000本程度まで伸ばすいう。配信作品はユーザーのリクエストを反映していく。リアルとのつながりも意識し、劇場版「妖怪ウォッチ」と全国のauショップを連動した取り組みなども行う予定だ。
各社がしのぎを削るスマートフォンは、機能面や技術面での差別化が難しくなっており、利用できるサービスで勝負していく戦略だ。高橋誠専務は「ネットとリアルをどうつなげていくかをテーマに秋から冬にかけてさらに新サービスを続々予定している。今日の発表は位置付けとしては“先鋒”。これからの“大将”の登場を楽しみにしていてほしい」と話している。
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