ヤフオク!×BOOKOFF「ヤフOFF!」、出品代行料引き下げ オークション出品のハードル下げリユース活性化
ヤフオク!とBOOKOFFのコラボ店舗としてオープンした「ヤフOFF!」。目玉サービスであるオークションへの出品代行の手数料を最大45%から一律30%に変更し、利用者拡大を狙う。
ヤフーとブックオフコーポレーションによるコラボ店舗「ヤフOFF!フラッグシップストア 渋谷センター街」が東京・渋谷に9月末にオープンした。実験的に「ヤフオク!出品窓口」を設置し、本やCDなどBOOKOFFが扱う商品に限らず、売りたい任意の品物を持ち込んで出品を代行する。ユーザーの反響を受け手数料を最大45%から一律30%に変更するなど、普段オークション自体になじみがない人にも利用しやすい環境を整えていきたいという。
「ヤフオク!」への出品代行は、落札見込み価格が5000円以上の商品が対象。オープンから2週間程度だが、すでに衣類や電化製品などに加え、「リサイクルショップでは100円と値付けられたがマニアには数千円で売れるはずの限定商品」――などが持ち込まれているという。
出品代行は、リアル店舗を活用して出品数の拡大を図るトライアルだ。以前は出品していたが今は忙しくて時間が作れない人、普段あまりネットを使わない人など、これまでなかなかリーチできなかった層に届いている手応えがあるという。
当初発表された料金プランでは、販売手数料は落札額の25〜45%としていたが、11日から一律30%に変更する。最も手軽な落札額帯・5000円〜1万円の手数料が45%だったこともあり、ネット上を中心に「高すぎる」「ぼったくり」「サービスとしてはよさそうなのに利用する気になれない」といった意見が多かったため、“爆速”で改定したという。
「買い取りの場合、どうしても在庫や販売リスクを考えて実際の値段よりもかなり低く値付けせざるを得ないので、仮に手数料が50%だとしてもかなりのケースでオークション出品を選んでいただいた方が実入りはいいと思う。とはいえ数字だけがひとり歩きすることで利用をためらわれてしまうのは本末転倒ということで、この早さで引き下げに至った。ぜひ気軽に試してほしい」(ヤフオク!カンパニー長 梅村雄士執行役員)
ヤフオク!の利用者数は年間1000万人・流通総額は約7300億円(2013年度)に上り、オンラインの中古市場では国内随一の規模。それでも「国民1億人の中で自分の部屋に“売りたいもの”がない人はいないはず。まだまだ伸びしろはある」と梅村さんは意気込む。
オークションサービス自体は身近になっているとは言え、出品や連絡の手間、金銭や個人情報のやりとりへの不安など、誰でも気軽にというわけにもいかないのが現状だ。リアルな店舗を基盤に、“持ち込むだけ”の選択肢を提供できるのは、利用者と出品数をさらに拡大していくために大きな一歩と捉える。
中古EC市場ではスマートフォンに特化したフリマアプリが活況だが、ユーザーが流れている実感はあまりないと梅村さんはいう。「中古品を売買する層自体が広がっているという印象」という。多くのアプリが比較的若年層をターゲットにしている中、ヤフオク!は18歳以下が利用できないのも大きい。ヤフオク!自体もすでに落札の4〜5割はスマホからになっているという。
2016年度までに中古本の取り扱いを1000万冊に伸ばすことを掲げ、BOOKOFF店舗とネットでの併売も徐々に始めている。書籍は個人ユーザーにとっても出品しやすく、需要も大きいため、オークション利用の売り買い双方の入り口として強化していく。落札した他商品と同梱して発送する仕組みなども検討する。
現在、出品代行サービスを渋谷の旗艦店、総合買い取りサービスを東京・自由が丘店で実施しているが、今後全国のBOOKOFFへの拡大を目指しオペレーションを固めていく。
「『とりあえずこれもこれもBOOKOFFに持って行こう』と、商品を問わず迷わずリユースを選んでもらえる環境を作るのが理想。対面の店舗だからこそできること、ネットとリアルをつなぐサービスの提案に積極的に取り組んでいきたい」(梅村さん)
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