図書館蔵書検索「カーリル」が電子書籍に対応 「半数近くがオールアバウト」統計データ公開
全国の図書館の蔵書を横断検索できる「カーリル」が電子書籍に対応した。独自に整備した電子書籍の蔵書データも公開。出版社別で見ると、46.7%と半分近くがオールアバウトのものだと分かったという。
カーリルはこのほど、全国の図書館の蔵書を横断検索できる「カーリル」を電子書籍に対応させた。また、独自に整備した図書館所蔵の電子書籍に関する統計をオープンデータで公開。出版社別で見ると、46.7%と半分近くがオールアバウトのものだと分かったという。
図書館の電子書籍は紙の本と別のシステムで運用されており、ISBNなど書誌情報の整備も進んでおらず、検索しにくかった。同社はこれらのデータを独自に集約し、紙の本と横断検索できるサービスを実現した。検索した本の電子書籍が所蔵されている場合「蔵書あり」と表示され、「予約する」ボタンから電子書籍サービスにアクセスできる。
現在、電子書籍を提供している図書館は29館とされているが、うち22館に対応。同社が提供している図書館APIにも対応しており、500を超えるカーリルAPI連携アプリやブラウザ拡張ツールでも電子書籍検索を利用できる。
同社が整備した図書館の電子書籍情報データを基にした統計情報も、オープンデータで公開した。調査対象となった全図書館の電子書籍の蔵書を合計し、出版社別に見ると、オールアバウトによる電子書籍が46.7%と半分近くに達したという。また、青空文庫など著作権切れ書籍の電子版や、著作権切れ書籍を底本とした翻訳やオーディオブックも多く、これら以外のコンテンツの提供は進んでいないことが分かったという。
同社は電子書籍の貸し出しについて、「最終的なユーザーが置き去りとなっているのではないか」と指摘。実態を正確に把握した上で議論を進められるよう、統計資料を公開したとしている。
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