日英バイリンガルフォント「AXIS Font ProN」、10年目の大幅アップデート 78言語対応、1万5000字に
日英バイリンガルフォント「AXIS Font」が従来から6000字以上拡張したProN版をリリースした。
タイププロジェクトは12月2日、和文フォント「AXIS Font」の拡張版「AXIS Font ProN」を発売した。収録文字数をこれまでの9354文字から1万5525文字に大幅に拡張。企業Webサイトやアプリ、デバイスへの組み込みなど活用の場を広げていく狙いだ。
「AXIS Font」はデザイン誌「AXIS」のオリジナルフォントとして2001年に開発された和文フォント。横書きを前提とし、和文・欧文の統一感を重視しており、バイリンガルで利用できるのが特徴だ。2003年に発売し、AppleやポーラのWebサイトやカタログ、「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」など、業種やアナログ/デジタルを問わず広く使われている。
通常書体「ベーシック」のほか、小型化したデジタルデバイスでの読みやすさと高密度な表示の両立を追求した横幅の狭い「コンデンス」「コンプレス」の3つの字幅を展開。それぞれ最大7種類の太さを持ち、全18種類のファミリー構成となっている。
価格(税込)は、1フォント2万5000円。ベーシックの7ウェイトセットが15万7500円、コンデンスの6ウェイトセットが13万5000円、コンプレスの5ウェイトセットが11万2500円、全フォントセットが37万円。
コーポレートフォントとして利用する際、名刺や資料などで必要な漢字が足りない――などの要望を受け、リリースから約10年が経って初めての拡張となった。追加した文字は、ルビ用漢字、異体字、イタリック文字、約物や記号など6000文字以上で、18のフォントセットすべてに対応する。対応言語も30言語から78言語に大きく増大し、グローバルに展開する企業、ブランドやサービスへの導入、デバイスへの組み込みがしやすくなったとうたう。
アクシスの宮崎光弘取締役は「10年以上前、最初のオーダーは『組むだけで2割くらい知的に見えるフォントを』だった。和文と欧文の相性がよく、コンテンツを邪魔しない美しいフォントは当時も今も『ありそうでなかった書体』だと思う。これまで雑誌を作る中で足りなかった人名漢字なども含まれるようで、活用の幅のさらなる広がりを期待したい」と話す。
鈴木功社長は「3年半かけて開発に取り組んできた成果をやっとお披露目できた。リリースから10年以上経ったが、デジタルデバイスへの搭載も含めてまだまだ可能性のあるフォントだと思う。日本国外も含め長く多くの人に愛されるようこれからも進化し続けたい」と意気込んでいる。
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