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「論文のSTAP細胞、なかったことはほぼ確実」と調査委 小保方氏、実験データほとんど提出せず(4/4 ページ)
「論文に載ったSTAP細胞がなかったことはほぼ確実」と理研の調査委が結論。論文で「STAP幹細胞」とされたものは、ES細胞の可能性が極めて高いと判断した。調査委は小保方氏に実験データの提出を求めたが、ほとんど提出されなかったという。
「生命科学のどの研究室でも起こり得る」
報告書では、ずさんなデータ管理など小保方氏の責任を指摘した上で、小保方氏の過失を見逃した共同研究者の若山氏・笹井氏の責任にも言及。桂委員長は「小保方氏が所属した若山研で、オリジナルデータのチェックがなかったとしか考えられない」と指摘し、若山氏が対照実験を行うなど必要な検証をしていれば、ES細胞の混入を発見できたか可能性があるとした。
ただ、今回のような問題は「生命科学のどの研究室でも起こり得る」(桂委員長)とも。「競争的資金の獲得や特許、名声を得ることに夢中になって、肝心の科学の基本のところが忘れられるのがまずいのではないか。大切なのは、科学で自然の謎を解く喜びと、科学で社会的責任を果たすこと。そこから目がそれると変なことが起きるのではないか」(同)
野依理事長など、追加の処分なし
調査結果を受け、理研の野依良治理事長は「懲戒委員会の審査の再開など規定に基づく必要な手続きを厳正に進める」というコメントを発表した。理事長と各理事には減給などの処分が行われ、各理事は理事長から厳重注意を受けたという。
記者からは理事長や研究担当理事の退任を求める意見も出たが、これ以上の処分は行わないという。「具体的な課題を明確にしながら、組織的な対応を確実に行うことが理研として真摯に対応する道であり、経営者を入れ替えればすむ問題ではない」(有信理事)
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