初のアメリカ英語女声ボカロ「CYBER DIVA」に歌ってもらった(2/2 ページ)
ヤマハから初のアメリカ英語の女声ボーカロイド「CYBER DIVA」が登場。というわけで、早速オーディションしてみた。その実力は。
英語曲を簡単に作曲する方法
もう1つ実験。ボカロネットとの連携だ。ボカロネットにはボカロデューサーという、歌詞を入力するだけで自動作曲してくれる機能があり、ボカキューやVOCALOID Editor、iOS用のiVOCALOIDではアプリの中に、作曲した曲を取り込んで編集する機能が備わっている。
まず、ボカロネットにログインして、適当な歌詞で作曲してもらう。歌詞はあとで英語に入れ替えるので適当でいいけど、あまり音素が多すぎると面倒なことになる(実際そうなった)。
作曲が終わったらボカキューに戻って、画面上にあるVアイコンの左のほうをクリックする。すると、これまでに自動作曲した一覧が表示されるので、そこから取り込みたい曲をクリック。すると、VOCALOIDのファイルであるVSQXと、伴奏データがCubaseの中に取り込まれる。
あとは、英語歌詞を適当に考えながら、メロディーラインを適当にそろえていくだけ。これでダーティーポップという、よく知らないスタイルの音楽の曲ができあがる。もちろん、歌にはグロウルとかをガンガンぶちこんでいく。で、できたのがこれだ。
ボカロネットは歌詞さえあれば曲が簡単に作れてしまうので、とてもおすすめ。まずは無料でどうぞ。なんでも短歌や俳句にしてしまう年配の人みたいに、日常のどんなことでも曲にできてしまうのだ。次はぜひ英語対応してもらって、CYBER DIVAの声で自動作曲とか。これが米国で公開されたらいろいろ変わりそうだ。
米国市場で第一歩、次は?
公式デモを聴くと、ダンスミュージックは明らかに向いている声だし、発音のよさでバラード系も、グロウルを使ってハードなのもいける。データベースが1つなので、VOCALOID4のクロスシンセシスを使えないのが残念だが、歌声合成に厳しいと関係者から聞いていた米国市場で受け入れられるための第一歩としてはよく作られていると感じた。
米国人開発者のマイケル・ウィルソンさんがVOCALOIDの米国公式ページで語っているように、英語の発音の問題は日本語と比べて非常に難しく、例えば米国と英国の標準的な発音を区別する発音記号がなかったり、あってもその使い方やラベリングが標準化されていなかったりと、さまざまな苦労があったそうだ。問題解決のために、ユーザー辞書を整備することでおかしな発音がでないような工夫も行ったという。
結果的にCYBER DIVAのプロジェクトには丸2年にわたった。おかげでCYBER DIVAの発音はこれまでの英語データベースと比べてかなり改善されており、その成果がサードパーティデベロッパーにもフィードバックされるだろう。
ヤマハからリリースされる初の英語VOCALOID。VOCALOID4の性能をフルに生かせるよう、複数の声色データベースや、男声英語ボカロも期待だ。CYBER DIVA、日本では2月下旬だが、米国への投入はその後になる。米国人ミュージシャンの反応はどうだろうか。
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