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「はやぶさ2」は「たいへん順調」 初代の経験生きイオンエンジン万全 「やったな!という感覚」と國中氏(1/3 ページ)

「はやぶさ2」の打ち上げから2カ月。初期運用は「たいへん順調」という。初代「はやぶさ」の経験を生かして開発されたイオンエンジンも万全な状態だが、心配もあるという。

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JAXA提供

 「ようやく航海が始まった」――小惑星探査機「はやぶさ2」の運用を統括する宇宙航空研究開発機構(JAXA)の國中均プロジェクトマネージャは1月28日、はやぶさ2の初期運用が非常にうまくいっていると説明した。初代「はやぶさ」では試験運用の段階でイオンエンジンがトラブルに見舞われたが、「2」では順調に動くなど「万全な状態」という。

 はやぶさ2は昨年12月3日、H-IIAロケット26号機で種子島宇宙センターから打ち上げられた。地球から約3億キロの彼方にある小惑星「1999 JU3」の探査がミッション。2018年夏に小惑星に到着する計画で、1年半にわたる滞在期間中、衝突装置により人工クレーターを作って宇宙線などにさらされていない小惑星の物質を採取。20年末に地球に帰還する予定だ。

 現在は地球から約2200万キロの距離にあり、機器のチェックなど初期運用を行っているが、イオンエンジンや地上との通信などすべてが順調。「たいへん順調に推移しており、たいへん万全な状態」と國中マネージャは太鼓判を押す。あと1カ月ほど調整運転を行い、3月から本格的な巡航運転に入る。

イオンエンジン4基とも万全 初代の経験生きる

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國中プロジェクトマネージャ

 初代はやぶさのイオンエンジンは大きなトラブルに見舞われた。4基あったイオンエンジンのうち、初期運転の段階で1基にトラブルが起き、残りの3基で小惑星に向かうと決断。その後残りのエンジンでもトラブルが起きたため、別々のエンジンのイオン源と中和器を接続する“ニコイチ”により、新たな一式のイオンエンジンとして動作させるという“裏技”も繰り出してなんとか帰還した。

 はやぶさ2のイオンエンジンは初代と同様4基を装備。3基をメインに使い、残り1基は予備として取っておく設計も初代と同じだが、「4台とも健全な状態で投入すること」を目標に、部品はできるだけ国産で調達し、推力や寿命を高め、自律運転機能も二重三重に監視する仕組みにした。

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