Google決算、売上高は過去最高だが広告の伸び鈍化で予想は下回る
Googleの10〜12月期決算は2桁台の増収増益だったが広告の伸びが鈍化し、アナリスト予想は下回った。電話会見ではCFOが、「Nexus 6」が特に日本で好調で在庫が追いつかないと語った。
米Googleが1月29日(現地時間)に発表した2014年第4四半期(10〜12月期)決算は、売上高は前年同期比15%増の181億300万ドル、提携企業に支払う手数料(TAC)を除く実質売上高は144億8300万ドル、純利益は41%増の47億5700万ドル(1株当たり6.91ドル)の増収増益だった。
売上高は過去最高だったが、TACを除く売上高、非GAAPベースの純利益(1株当たり6.88ドル)ともにアナリスト予測(売上高は146億1000万ドル、純利益は7.08ドル)を下回った。
主要収入源である広告の伸びが鈍化している。
検索と連動した広告の伸びを示すペイドクリック数は14%増加と、前期に続けて伸びが鈍化した。傘下のYouTubeのTrueViewやGoogleマップなどの広告のペイドクリック数は25%増と好調だった。
一方、モバイル端末の普及で下落が続いているクリック単価(クリックごとに広告主がGoogleに支払う単価)は3%のマイナスと、落ち込みに歯止めが掛かった。パートナーサイトでのクリック単価が8%増加した。
トラフィック獲得経費(TAC)は36億2000万ドルで、広告売上高の22%を占めた。
広告以外からの売り上げ(Google Playのハードウェアやアプリ、Google for Workなど)は19%増で、売上高全体に占める割合は前期と同じ11%だった。
同四半期末時点の正社員数は、世界で5万3600人。MotorolaのLenovoへの売却が完了し、前四半期末時点から2036人減少した。
2014年通年では、売上高は19%増の660億100万ドル、純利益は12%増の144億4400万ドルだった。
業績発表後の電話会見でパトリック・ピシェットCFO(最高財務責任者)は、「Nexus 6」が特に日本で好調で、在庫が追い付いていないと語った。同氏はまた、同四半期に不動産への9億ドルやProject Loonなどに投資したことに触れた。「Google Glass」については、望んだインパクトを与えられなかったとし、チームに戦略のリセットを提案したと語った。Googleは自動運転カーなど様々なプロジェクトに投資しているが、希望したインパクトを与えられないと判断した場合は中止することもあると、資本の無駄遣いをしているわけではないと株主にアピールした。
Mozillaが米国でのFirefoxのデフォルト検索エンジンを米Yahoo!にしたことを懸念しているかという質問には、素晴らしい製品を作れば人々は探しだしてくれる、と答えた。
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