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Google I/O 2014で発表されたこと、されなかったこと

KitKatの次のAndroid「L release」(スイーツの名前にはならない)、CarPlay対抗の「Android Auto」、「Google TV」の後継(?)「Android TV」などが発表された。また、Chromebookが今度こそ日本に来ることが明らかになった。

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 米Googleは6月25日(現地時間)、カリフォルニア州サンフランシスコのモスコーニセンターで7回目になる年次開発者会議「Google I/O 2014」を開催した。午前9時から約3時間にわたった基調講演で発表されたこと(とされなかったこと)を発表順に短く紹介する。

 これまでのI/Oの総合司会を務めてきたエンジニアリング担当上級副社長のヴィック・ガンドトラ氏が4月に退社したため、今年はGoogleのAndroid/Chrome/Apps担当上級副社長、スンダー・ピチャイ氏がその役を担った。

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スンダー・ピチャイ氏

“次の10億人のための”廉価スマートフォン「Android One」

 ハードウェア企業や通信キャリアとの協力により、100ドル以下でデータプランも安いAndroid端末を新興国市場で提供していく。まずは今秋にインドでスタートする。

次期Androidのコードネームはお菓子ではなく「L」

 これまでAndroidのコードネームはお菓子にちなんだものになっていたが、ピチャイ氏は次期Androidを「L release」と呼んだ。開発者向けプレビューも「L Developer Preview」となっている。

 l

 Nexus 5とNexus 7で使えるSDKとシステムイメージは26日に公開される見込み。

 「Material Design」と呼ばれるデザインアプローチを採用し、5000以上の新しいAPIを追加した。

 ピチャイ氏はLの基本原則を「文脈的知覚」「音声可能」「シームレス」「モバイル第一」と説明した。

 principle

 Googleは、Androidだけでなく、Chromeでも同様のアプローチを採用するとしている。デザインのガイドラインなどはGoogle Designのページにまとめられている。


Android Wear端末の予約開始

 3月に発表したウェアラブル向けプラットフォーム「Android Wear」についてもデモを行った。また、LG Electronicsの「LG G Watch」とSamsung Electronicsの「Gear Live」が同日から予約を開始することも発表された。(詳細記事はこちら)。

 wear

AppleのCarPlay対抗「Android Auto」

 「Android Auto」は、Android端末を車のダッシュボードに接続することでカーナビやメールチェックなどが可能になるプラットフォーム。米AppleのCarPlayと競合する。

 Googleは今年の1月に自動車へのAndroidプラットフォーム搭載促進を目指すアライアンス「Open Automotive Alliance(OAA)」を立ち上げており、Android Autoはその成果物。パートナーとなる自動車メーカーが発表段階より増えた。

 auto

「Android TV」でAndroidアプリやゲームをリビングルームに

 基調講演では「Google TV」については触れられなかったが、「Android TV」に置き換えられるのかもしれない(本稿執筆現在、Google TVのページはまだある)。

 Google TVと同様に、スマートテレビやセットトップボックスのプラットフォームで、パートナーメーカーとしてソニーとシャープも名乗りを上げている。

 tv

 Android TV搭載テレビでは、Android端末やゲームコントローラーをリモコンとして利用でき、Chromecastと同様にモバイル端末のコンテンツをキャストすることもできる。Android Wear端末からも操作できる。

ChromecastでAndroid端末のキャストが可能に

 最近日本でも発売されたChromecastが、今後のアップデートで幾つかの新機能が追加される。同じWi-Fiネットワーク内にないAndroid端末のコンテンツもキャストできるようになり、「Backdrop」機能でGoogle+のアルバムやGoogle Earthの画像を表示できるようになり、Android端末の画面をそのままキャストできるようになる(詳細記事はこちら)。

 デモではAndroid端末で表示したGoogle Earthや端末のカメラで撮影中の動画をテレビの大画面で表示して見せた。

Chromebookがついに日本上陸

 何度かうわさされては消えていたChromebookの日本上陸が、今度こそ実現するようだ。

 chromebook
日の丸が

 また、AndroidアプリがChromebookに最適化された形で稼働する。VineやFlipboardのAndroidアプリのデモが行われた。

SamsungのKnoxがすべてのAndroidで利用可能に

 Samsungの企業向けBYODサービスをSamsung以外の端末でも利用できるようになる。

Googleドキュメント

 Google SlideがAndroidでも利用できるようになる。また、2年前に買収したQuickofficeの技術を統合することにより、Google Docsで開いたMicrosoft Officeのファイルをそのまま編集してOfficeのファイルとして保存できるようになる。

容量無制限の「Google Drive for Work」

 ユーザー当たり月額10ドルの企業向けクラウドストレージ「Google Drive for Work」も発表した。詳細記事はこちら

Google Cloud Platform

 SQL、NoSQL、BigQueryのサポートなど、多数の新機能が紹介された。

 SnapchatやSecret、Netflixがこのプラットフォームを使っているという。

ヘルスケアプラットフォーム「Google Fit」

 「Google Fit」のSDKにより、サードパーティーはアプリやAndroid Wearなどの端末のセンサーで集めたデータを利用するアプリを開発できる。

 fit

 現在、Adidas、Nike、Asus、HTC、Intel、Motorola、Runkeeperなどがパートナーとなっている。

発表されなかったこと

 基調講演の最後にピチャイ氏が8インチくらいの厚紙を手にし、場内がざわめいたが、うわさされていた8インチのNexusタブレットは発表されなかった。この厚紙は「Cardboard」と名付けられた“これじゃない”Oculusのようなもので、I/O参加者にAndroid Wear端末とともにおみやげとして配られた。

 oculus

 セッションは用意されているが、NestのスマートホームやGoogle Glass、Google Xのプロジェクトなどは発表されず、共同創業者のラリー・ペイジCEOとサーゲイ・ブリン氏は登壇しなかった。

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