KDDI、セルフ健康チェックサービスに参入 「スマホ de ドック」開始、第1弾は血液検査
健康データをWebで管理できるセルフ健康チェックプラットフォーム「スマホ de ドック」をKDDIが今夏スタートする。第1弾として血液検査を提供し、今後サービスを拡充する。
KDDIは3月16日、スマホやPCで管理できるセルフ健康チェックプラットフォーム「スマホ de ドック」を今夏スタートすると発表した。第1弾として、在宅で血液を採取し、分析結果をWeb上で確認できる「生化学14項目血液検査サービス」を始める。価格は4980円(税別)。auユーザー以外も利用できる。
専用キットで微量(0.065ミリリットル)の血液を採取し、検査センターに郵送すると約1週間後にスマホやPCから検査結果をチェックできる。検査項目は、中性脂肪やコレステロール、尿酸値、血糖値など、メタボリックシンドロームや腎機能、痛風などに関する14項目だ。結果はA〜Dの4段階で示し、医師の監修による医学的なコメントや生活改善アドバイス、結果によっては医療機関の案内も表示される。プラットフォーム構築をKDDI、検査キットの提供をリージャー、血液検査をアイルが担当する。
サービス開始に先立ち、4月中旬から全国20自治体、2健保組合で24万人の健康診断未受診者を対象に無料利用を促す実証実験を行う。“メタボ健診”こと特定健診は40代以上の未受診者が70%超に上るとされ、健康診断を受ける時間が取れない人に訴求していく。特定健診の対象者でない若年層には、習慣的な健康チェックにつなげてもらいたいという。
自治体や企業との連携を中心にするモデルで、夏をめどに個人向けも始める。今後、検査の種類を拡充し、生活習慣チェック、健康サポートなどにもサービスを広げていく予定だ。
KDDI新規ビジネス推進本部の岩崎昭夫担当部長は「将来的には個人が健康チェックを行うことを当たり前にし、大病の早期発見や医療費の抑制など、誰もが長生きできる社会の実現につなげていきたい。現時点でヘルスケア事業に大きな収益を求めているわけでなく、マーケットを広げるべく長期的な視野で見た取り組み」と話している。
リージャーは自己採血型血液検査サービスに10年以上取り組んでいるが、セルフヘルスケアの市場はまだ小さいという。KDDIの役割は「アナログなキットとデジタルプラットフォームを融合することで、より裾野を広げていくこと」(岩崎担当部長)。安定したプラットフォームの提供、個人情報管理への安心感などを強みにユーザー拡大を目指す。
関連記事
- ヤフー、一般向けゲノム解析サービス「HealthData Lab」10月開始
ヤフーが一般向けゲノム解析サービスを10月に始める。スマホアプリで取得した生活習慣情報と合わせて健康維持に関するアドバイスを行うサービスを目指す。 - DeNA、一般向け遺伝子検査サービス「MYCODE」8月開始 がんのリスクから太りやすさ、食習慣まで
DeNAライフサイエンスによる一般向けの遺伝子検査サービス「MYCODE」が8月中旬にスタートする。がんや生活習慣病のリスク、体質など約280項目を検査し、Webで結果を閲覧できる。 - Google、ナノ粒子入りピルでがんなどの疾病を早期発見するプロジェクト
Googleの“ムーンショット”部門「Google X」では、血中でがん細胞などに付着してマーカーとなる磁気を帯びたナノ粒子とウェアラブル端末を組み合わせて病気を早期発見するシステムを開発しているとプロジェクト責任者が語った。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.