音声認識でリアルタイムに会議をテキスト化 富士通、聴覚障害者支援ツール「LiveTalk」開発
音声認識で会議をリアルタイムにテキスト化し、発言や参加もできるようにすることで聴覚障害者を支援する「LiveTalk」を富士通が開発した。
富士通と富士通ソーシャルサイエンスラボラトリ(富士通SSL)は4月14日、聴覚障害者参加型コミュニケーションツール「FUJITSU Software LiveTalk」を発表した。リアルタイムに発話をテキストにすることで、聴覚に障害を持つ人の会議や授業への参加を円滑にする。発売は5月中旬を予定。
PCに接続したマイクで会議や授業などで複数人の発言をリアルタイムに音声認識し、それぞれのPC画面に表示する。利用者は文章で内容を把握するだけでなく、スタンプや定型文、キーボード入力などで参加できる。
マイクごとにアカウントを振り分け、それぞれ発話者が分かる形で示す。複数の人が同時に話した場合は並行処理し、会話の流れを正確に追うことができるという。
音声認識技術には「AmiVoice SP2」(アドバンスト・メディア)を採用。リアルタイム性を重視するため、正確に拾えない箇所もあるが、画面上のテキストを後から修正することもでき、辞書が学ぶことで精度が向上していくという。
従業員50人以上の事業者は障害者の雇用が義務付けられており、民間企業は従業員の2%と定められている。雇用実績は事務職が最も多いが、聴覚障害者は通常業務には従事できても、筆記者や手話通訳が確保しにくい小規模な会議やブレストでは参加・発言しにくい傾向があったという。
「LiveTalk」は聴覚に障害のある富士通SSLの社員も開発に参画し、当事者の使いやすさを高めた。今後、スマートフォンでの利用や手書き入力機能などの機能追加を検討していく。同技術を応用し、会話ログの保存や議事録作成支援などにも広げていければとしている。
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