Nokia、競合Alcatel-Lucentを約2兆円で買収
Microsoftに端末部門を売却後、ネットワークインフラサービス、地図事業、技術開発とライセンスの3本柱に注力してきたNokiaが、ベル研究所を持つAlcatel-Lucentの買収とHEREの売却で2本柱に集中する。
フィンランドNokiaは4月15日(現地時間)、仏通信サービス大手のAlcatel-Lucentを買収することで合意に達したと発表した。買収総額は156億ユーロ(約2兆円)で、取引は2016年半ばに完了する見込み。
買収は株式の交換で行う。Alcatel-Lucentの1株とNokiaの0.55株を交換する。これにより、Alcatel-Lucentの株主は、新会社の株式の33.5%を保有することになる。
Alcatel-Lucentは、2006年に仏Alcatelと米Lucentが合併して誕生した通信サービス企業。通信業界最大規模の研究機関、Bell Labs(ベル研究所)を持ち、世界130カ国以上で事業を展開している。
Nokiaはまた、地図サービス部門のHEREの売却を検討中であることも明らかにした。同社は米Microsoftに携帯端末事業を売却した際、HERE、ネットワークインフラサービスのNokia Solutions and Networks(NSN)、先進技術開発とライセンス部門のAdvanced Technologiesを3つの柱とするとしていた。
NokiaはAlcatel-Lucentの買収により、NSNとAdvanced Technologiesの強化を図る。この買収で同社の従業員数は11万1000人以上になる。研究開発関連の従業員数は4万人以上になり、5GやIPネットワーク、クラウド、センサー、イメージングなどの先進的な分野における開拓者としての地位を確保できるとしている。
買収完了後の社名は「Nokia Corporation」となり、Nokiaの現CEOであるラジーブ・スリ氏が引き続きCEOを、現会長であるリスト・シーラスマー氏が会長を務める。
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