ユニクロ、オリジナルTシャツをアプリで作って販売できる「UTme!マーケット」開始 1枚当たり300円還元
スマホアプリで作成したオリジナルTシャツを出品・販売できる「UTme!マーケット」をユニクロがオープンした。1枚当たり300円がクリエイターに還元される。
ユニクロは4月28日、スマートフォンでオリジナルTシャツが作れるアプリ「UTme!」で、デザインしたオリジナルTシャツを一般に販売できる「UTme!マーケット」をオープンした。1枚当たり300円がクリエイターに還元される仕組みだ。
「UTme!」は昨年5月に公開したアプリ。写真やテキスト、スタンプなどを自由に組み合わせてオリジナルデザインのTシャツやトートバッグを作れる。自動でレイアウトを提案してくれる「AUTO DESIGNER」をはじめ、インクが飛び散るような「SPLASH」、細く切り刻むような「GLITCH」など多彩なエフェクトで誰でもハイセンスなデザインに仕上げられるのが特徴だ。
「UTme!マーケット」では、同アプリで制作したデザインを登録・出品し、販売することができる。価格はTシャツ(メンズ/ウィメンズ)が1990円(税別)から、トートバッグが2490円(税別)で、これにプラスして出品者への報酬として300円(税別)が必要。この300円が出品者に支払われる仕組みだ。出品側に在庫管理の手間なく、注文処理や発送はすべてUT側が行う。
これまでメンズとキッズのホワイトのみだったバリエーションに、ウィメンズ各サイズと、ブラック、ネイビーのカラーを追加した。Tシャツの価格はカラーやサイズごとに1790円〜2990円で、トートバッグは2490円(いずれも税別)。5月11日までは全品200円引きとなる。
アプリには新機能として、俳優・田辺誠一さんのキャラクター「かっこいい犬。もっちー」やコカコーラのスタンプ、米ニューヨーク近代美術館(MoMA)と共同で開発した、19〜20世紀の表現技法をイメージした「EARLY MODERN」、切り貼り風にできる「COLLAGE」の2つのエフェクトが追加された。
クリエイターの権利とリターンを保証
同社グローバルマーケティング部の松沼礼プロジェクトリーダーは、「自分を表現するメディアとしてのTシャツの可能性をさらに広げていきたい。クリエイターのみなさんの手をわずらわせることなく、才能を生かしてもらえる場になれば。新たな才能の発掘にも期待したい」と話す。
昨年5月のリリース当時、デザインの著作権は「(同社に)無償譲渡」とする利用規約に批判が集まり、「著作権はユーザーに帰属」と改訂した経緯がある。現在のデザインガイドラインでは、注文できないケースとして「他者の権利を侵害するもの」と明記されている。ただ、自分のペットの写真やオリジナルキャラであってもリジェクトされるケースが指摘されていた。
すべての投稿デザインの審査はスタッフが目視で確認しているという。サービス開始当初はリジェクトの基準が「厳しすぎる面もあった」(担当者)とし、現在は会社のロゴやペットの写真、キャラクターなど権利を侵害する可能性があるモチーフが含まれるデザインの場合、自身が権利者あるいは許諾を受けていることが分かるようにメールで追加情報を求めるように変更しているという。「社内でケーススタディを進め、ノウハウを蓄積してきた。今後もできるだけユーザーに不便がないよう体制を整えていく」(松沼さん)としている。
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