村上春樹作品、初の電子化 読者の質問に答える「村上さんのところ」を完全収録
村上春樹さんが読者の質問に答えるWebサイト「村上さんのところ」が単行本と電子書籍として発売される。同氏の作品として国内初の電子化だ。
村上春樹さんが読者の質問・相談に答える期間限定のWeb企画「村上さんのところ」が、単行本と電子書籍として7月下旬に新潮社から発売される。同氏の作品では国内初の電子書籍化となる。
「村上さんのところ」は、村上さんが直接「あなたのメールに“できるかぎり”答えます」とうたい、1月にオープン。作品の考察や日常生活の悩み、社会問題、猫や野球に関する素朴な疑問まで、3万7465通にのぼる読者からの質問・相談が寄せられた。
大きな反響を受け、3月末の終了予定を1カ月延長。村上さん本人がすべてのメールに目を通し、約3500通に回答し、3カ月半で合計1億ページビューに迫るアクセス数を記録したという。
7月下旬に発売する単行本版(1300円・税別)には、フジモトマサルさんによる描き下ろしイラスト約50点とともに、選りすぐりの400〜500の質問と回答を収録する。
電子書籍版(2000円・税別)は「コンプリート版」として、「紙の本のかたちで出すと、たぶん電話帳二冊ぶんくらいの厚さ」(本人談)となるすべての回答を収録。村上さんの作品の電子書籍化は国内では初めてとなる。
30日で回答の更新を終えたWebサイトは、5月13日で閉じられる。「当主の最後の挨拶」として、村上さんは「しかしよくもまあこれだけのメールが来たなあ、というのが僕の偽らざる実感です」「また何らかのかたちで同じようなことをやりたいなと考えています。もうこれとまったく同じ形式でやることはできないと思いますが(もう一度やったら確実に死にます)、何かうまいフォーマットを考えたいですね」などとつづっている。
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