Google、モバイル検索に新広告 車やホテル、住宅ローンの検索で
Googleが、モバイルでの検索増加を受け、スマートフォンの狭い画面やスワイプ機能に合わせた新しいAdWords広告製品を提供する。
米Googleは5月5日(現地時間)、検索連動広告サービスAdWordsのモバイルでの新広告製品を発表した。いずれも向こう数カ月中に提供を開始する。
同社の広告担当幹部、ジェリー・ディシュラー氏は同日開催した広告主向けイベントで、ユーザーが情報を検索するパターンは急激に変わってきており、同社の調査によると、日本や米国を含む10カ国では既にモバイル(スマートフォン)での検索がPCやタブレットでの検索を回数で上回ったという。
今回発表するAdWordsの一連の強化は、画面の狭さやスワイプ操作など、PCやタブレットにはないモバイルの特徴に留意したもの。なお、広告主向けダッシュボードやマーケター向けの自動入札機能なども紹介されたが、ここではユーザーに関係のある新しい広告についてのみ紹介する。
Automobile Ads(自動車広告)
スマートフォンのGoogle検索で具体的な車名(「トヨタ プリウス」など)を検索すると表示される広告。カルーセル式(横スワイプで閲覧できる)の車の外観/内観の画像による広告で、画像の1つをタップするとその車のスペックが表示される。また、「Dealers」タブをタップすると、ユーザーの位置情報に基いてその車を扱っている最寄りのディーラーのリンクが表示される。
Googleの調査によると、車の購買者は(事前に)車種の比較や検討のために15時間以上をオンライン検索に費やすという。
Hotel Ads(ホテル広告)
リアルタイムの宿泊費を表示するHotel Adsの提供は既にスタートしているが、これがモバイルのフォーマットでも表示されるようになる。例えば「ニューヨークミッドタウンのホテル」と検索すると、検索結果のトップにHotel Adsに参加しているヒルトン系列のホテルの、写真や宿泊費、レビューがまとまった広告が表示される。この広告にはその場で部屋のグレードを選んで予約できるボタンも付いている。
住宅ローンの比較広告
米国で提供している比較広告「Google Compare」に、住宅ローンの比較広告が追加される。これまでは、自動車保険の比較が可能だった。パートナーとなっている複数の住宅ローン会社の各種ローンをレートや手数料を比較検討し、担当者にその場でコンタクトをとることも可能だ。
Googleの主な収入源は検索広告だが、ユーザーへのモバイルへのシフトに伴い、クリック単価(CPC、クリックごとに広告主がGoogleに支払う単価)は数四半期連続で下がり続けている。同社は直近の業績発表で、検索広告が不調だというアナリストの見解は「間違っている」とし、CPCが減少しているのはYouTubeのTrueViewの増加の影響であり、モバイル広告が伸びていないせいではないと主張した。
この他のダッシュボードや自動入札機能などについは、以下の発表イベントの録画を参照されたい。
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