安全な企業向けファイル共有で脱“シャドーIT”を 「Oracle Documents Cloud Service」機能強化
日本オラクルが企業向けクラウドファイル共有サービス「Oracle Documents Cloud Service」を機能強化。堅牢なセキュリティとAPI利用の自由さをうたう。
日本オラクルは6月3日、企業向けクラウド型ファイル共有サービス「Oracle Documents Cloud Service」の機能拡張を発表した。国内提供の開始から2カ月で初のアップデートとなり、「Office 365」との連携や開発用APIの強化などが中心。安全にファイルを共有できる強固なセキュリティと使い勝手の両立を売りに、さまざまなオフィス環境に訴求していく。
同サービスは全データの暗号化対応やテナント別独立管理など、企業ユースに必要な強固なセキュリティが特徴。社内共有に加え、ゲストアクセス可能なリンクを介して社外とのファイルのやりとりも安全にできるという。
「モバイルファースト」を掲げ、スマートフォン/タブレットなどマルチデバイスに対応。ファイルの更新状況が分かるバージョン管理機能も備えている。1ユーザー当たり初期容量500Gバイトから提供し、料金は1ユーザー当たり月額1630円(税別、最少25ユーザーから)。
「クラウド型のファイル共有サービスは、個人レベルではすでに普及が進んでおり、“シャドーIT”としてビジネスでも利用しているユーザーも多いのでは」――Fusion Middleware事業統括本部 ビジネス推進本部の清水照久部長は、現状の現場運用の問題点を指摘する。管理の目が届かない個人アカウントや外部サービスを使わずに、社内外でファイル共有をカバーするサービスの需要は高いと見る。
アップデートにより「Office 365」と連携し、WordやExcelからファイルを直接保存できるようになった。追加の課金や制限なしに利用できる開発者向けRESET APIも強化し、他社製を含むSaaS/PaaSアプリケーションへの組み込みや機能拡張も促進するなど、企業ユースへの対応を強化。ニーズに合わせたソリューションをパッケージ化し、コンテンツ管理基盤「Oracle WebCenter Content」とともに、オンプレミスとクラウドのハイブリット構成での提供にも対応する。
アップデートは4月に国内提供スタート後で初めて。今後も機能開発に力を入れ、3カ月程度のサイクルでバージョンアップする計画だ。
導入事例では、少人数のチームや部署単位での実験的な採用から始め、今後の拡大を検討しているケースが多いという。すでに「Oracle Database」などオンプレミス製品を利用している企業に限らず、より小規模な企業も開拓したい考えだ。
「企業利用に特化してセキュリティ面を強化した同種のサービスは多くなく、今後の可能性は大きい。普段からクラウドサービスを利用しているユーザーにとっては“当たり前”の基本的な機能を、安全にスムーズに使える形で提供していく」(清水部長)
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