Microsoft、Windows 10正規版についての混乱を謝罪・説明
Microsoftが先週末に投稿したWindows 10 Insider PreviewプログラムからのWindows 10正規版へのアップグレードについての説明が大きな混乱を招いたとして謝罪し、「Windows 10正規版にアップグレードできるのはWindows 7/8.1正規版からのみ」と改めて説明した。
米Microsoftのガブリエル・オウル氏は6月22日(現地時間)、19日に書いた公式ブログが大きな混乱を招いたことを謝罪し、ブログを更新した。
結論から言えば、正規版Windows 10にアップグレードできるのは、正規版Windows 7/8.1のユーザーのみで、それ以外で正規版Windows 10にアップグレードしたければ新たなライセンスを購入する必要がある。
ただし、正規版リリース後もInsider Previewプログラムは続くので、プログラムからオプトアウトしなければ、今後もWindows 10の新しいプレビュー版を使い続けることができるということだ。正規版より安定していないかもしれないが、プレビュー版とはいえ合法的にWindows 10を使い続けられる。
混乱を招いた経緯は以下の通り。
オウル氏は当初、Windows 10 Insider Previewプログラム参加者に向けた19日のブログで「ISOファイルからクリーンインストールしたプレビュー版の場合はどうなるのかという質問を多数受け取ったが、(ISOファイルからかどうかにかかわりなく)プレビュー版をインストールしていて、かつ、プレビュープログラムへの登録時に使ったMicrosoftアカウントと関連付けてあるPCであれば、正式版Windows 10に無償でアップグレードできる」と書いた。
だが後から「無償アップグレードとしてWindows 10にアップグレードできるのは正式版のWindows 7あるいはWindows 8.1を稼働させている人だけであることに注意する必要がある」という1行を追加。
さらにその後、「Insider Previewビルドを、登録したMSA(Microsoftアカウント)と接続して稼働させている限り、Windows 10の最終ビルド(正規版)を受け取り、ライセンス認証(activated)されます」という1文から「activated」を削除した。
そして、週明けの22日正午にブログを全面的に書き換えた(上記2カ所の修正履歴はないが、修正後のオリジナルは残している)。
オウル氏はまず、「7月29日に(Windows 7/8.1から)アップグレードしようが、Windows Insider Programのプレビュー版からアップグレードしようが、Windows 10は正規版のWindowsを搭載した端末にインストールされるようになっている」とし、正規版のWindows 7/8.1以外の端末(VM)からは正規版にアップグレードできないことを間接的に説明した。
新たな説明では、「もしあなたのシステムが正規版のWindows 7/8.1からアップグレードされたものであれば、(7月29日に正規版アップグレードにオプトインすれば)システムはライセンス承認されたままだが、そうでなければ以前のOSのバージョンにロールバックするか、新しいWindows 10のライセンスを購入することが必要になる」となっている。
本稿筆者も注釈付きにはしたものの、こちらの記事で「例えばWindows XPマシンや仮想マシンにISOファイルからWindows 10のプレビュー版をインストールすることで、Windows 10の正式版にアップグレードすることも可能なはずだ」と書いてしまったことを読者に謝罪します。
関連記事
- 「Windows 10」はISOのプレビューからも無料アップグレード可能
Microsoftが、「Windows 10」(HomeおよびProエディション)のプレビューをISOファイルでインストールしている場合でも、7月29日の正式版への無償アップグレードが可能であると発表した。 - Microsoft、「Windows 10」のシステム要件や“アップグレード先”を発表
Microsoftが「Windows 10」の7月29日の無償アップグレード開始に向けて、エディション別のアップグレード先やアップグレードで削除されるアプリなどについての説明ページを開設した。 - Windows 10は7月29日リリース
「Windows 10」を7月29日にリリースするとMicrosoftが発表した。日本を含む190カ国で提供する。 - Windows 10、違法コピーユーザーには無料ではないが“魅力的なアップグレード”を計画中
Microsoftのテリー・マイヤーソン副社長は3月に、Windows 10への無料アップデートの対象に海賊版も含めると発言したが、これを改め、「非常に魅力的なアップグレード」の機会を提供すると説明した。 - 「Windows 10」は7つのエディションに Microsoftが発表
Microsoftが、今夏リリース予定の「Windows 10」のエディションを発表した。「IoT Core」を含む7種類になる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.