MicrosoftのHoloLens、宇宙へ──NASAとの共同プロジェクトでISSでのテスト開始
MicrosoftのWindows 10搭載拡張現実HMD「HoloLens」の宇宙での利用プロジェクト「Sidekick」で、まずは2台のHoloLensがISSに届けられる。
米Microsoftと米航空宇宙局(NASA)は6月25日(現地時間)、MicrosoftのWindows 10搭載の拡張現実HMD「HoloLens」を宇宙で利用する共同プロジェクト「Sidekick」(仲間、という意味)を発表した。
まずは28日に打ち上げられるSpaceXの物資補給船で2台のHoloLensを国際宇宙ステーション(ISS)に届ける。
Sidekickには「Remote Expert Mode」と「Procedure Mode」の2つのオペレーションモードがある。
Remote Expert Modeでは、宇宙飛行士が装着するHoloLensのリアルタイムの映像を地上チームにSkype経由でストリーミングし、宇宙飛行士の作業にリアルタイムで指示やアドバイスを与えられる。音声の他、映像上のアノテーション(動画にオーバーレイ表示するテキストの注釈)でも指示できる。
Procedure Modeは、宇宙飛行士が作業の際、実際の作業対象の上にオーバーレイでホログラフィックな動画マニュアルを表示するというもの。膨大なマニュアルを確認することなく、ホログラフの指示に沿って作業を進められる。
MicrosoftとNASAはHoloLensの発表前から協力しており、発表イベントでは火星探査機「Curiosity」からのデータで構築した仮想の火星空間をHoloLensで歩き回れるソフトウェア「OnSight」を披露している。
MicrosoftはHoloLensを一般向けに販売する計画だが、発売時期や価格についてはまだ発表していない。
関連記事
- Microsoft、Xbox Oneの高機能コントローラー「Elite」やHoloLens版「マインクラフト」を発表
ゲームの年次カンファレンス「E3 2015」の開幕に合わせ、Microsoftが150ドルの高機能無線コントローラーや複合現実HMD「HoloLens」版「マインクラフト」、ホリデーシーズンに発売の多数の新ゲームなどを披露した。 - Microsoft、ホログラムHMD「HoloLens」のデモ動画を複数公開
MicrosoftのWindows 10搭載ホログラムHMD「HoloLens」の構造や利用例を紹介するデモ動画が公開された。重さは“平均的なノートPCよりは軽く”、頭のサイズに合わせて調整でき、メガネをかけたまま装着できることなども明らかになった。 - Microsoft、拡張現実HMD「HoloLens」向けXboxゲームのためのAPI提供へ
Microsoftは、拡張現実HMD「Microsoft HoloLens」でXboxのゲームをプレイできるようにするための「holographic API」をWindows Insider Programで提供する。 - Microsoft、ホログラムを操作できるHMD「HoloLens」発表
Microsoftが次期Windowsの発表イベントで、Windows 10ベースのホログラム技術「Microsoft Holographic」と、それを搭載するHMD「HoloLens」を発表した。 - 2015年宇宙のコーヒー 専用エスプレッソマシン、国際宇宙ステーションへ打ち上げ
間もなくISSへ向けて打ち上げられるSpaceXの物資補給船「ドラゴン」には、宇宙飛行士のためのエスプレッソマシンも積み込まれる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.