京都大学は、山極壽一総長による講義をグローバルMOOCサイト「edX」で10月からオンライン配信すると発表した。現役の総長・学長が自ら講義を配信するのは世界で初めて。
「Evolution of the Human Sociality」(人類進化論)と題された講義では、京大の霊長類研究の歴史的経緯や、山極総長がこれまで行ってきたゴリラを対象としたアフリカ大陸でのフィールドワーク研究の成果などを紹介し、人類の社会性の起源に迫る内容となる予定という。講義は英語で行い、開講期間は6週間。
MOOCは、大学講師による講義をオンラインで無料配信し、成績に応じて修了証も受け取れるオンライン教育サービスの総称。ハーバード大とMIT(マサチューセッツ工科大)が共同で立ち上げた「edX」、スタンフォード大が主体となってスタートした「Coursera」などがグローバルMOOCとして成長しており、国や経済状況を問わず高等教育を受けられる仕組みとして注目を集めている。
京大は2013年5月に日本の大学として初めて「edX」に参画した。現役の総長・学長が講師を務める講義をMOOCを通して正式に配信するのは、総合研究大学として世界初の試みだという。
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