“Linuxの父”トーバルズ氏、Gmailのスパムフィルター新機能に怒る 「3分の1以上は必要なメールだった」
Linuxカーネルの開発者として知られるリーナス・トーバルズ氏が、Gmailのスパムフィルター機能のアップデートに苦言を呈しているようだ。
Linuxカーネルの開発者として知られる“Linuxの父”ことリーナス・トーバルズ氏が、米GoogleのGmailに苦言を呈しているようだ。米Wall Street Journal(WSJ)などがそんな話を伝えている。
WSJによると、Gmailでは7月半ばごろから、トーバルズ氏宛ての正当なメールをスパムメールとして分類するようになっていた。それに気付いた彼がおかしいと思って調べてみたところ、迷惑メールボックスに振り分けられていた約3000通のメールのうち30%超(1190通)は、Linuxカーネル開発者たちのメーリングリストを含む“必要なメール”だったという。
トーバルズ氏は「Gmailがどんなメールを迷惑メールとして判定して破棄しているのか知らないが、率直に言ってひどすぎる。とても受け入れられたものじゃない。Googleがここ数日でGmailに加えた変更は完全におかしい」と自身のGoogle+でも批判している。
Gmailのスパムフィルターに起きた変化に不満を持っているのはトーバルズ氏だけではないようだ。米ベンチャーキャピタルのY Combinatorが運営する投稿型ニュースサイト「Hacker News」では、ここ数日で多くのユーザーによる抗議文が投稿されている。WSJによると、一連の件についてGoogleからすぐにコメントを得ることはできなかったという。
Googleは今月9日、Gmailのスパムフィルターに人工神経回路を採用し、従来ならフィルターをかいくぐってきたようなスパムも除去できるようにしたと発表していた。英メディアのThe Registerは「残念ながら、“新たに除去できるようになったスパム”にはLinux開発者たちのメールも含まれていたようだ」と記している。
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