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クラウドワークス、「五輪エンブレムデザイン自主コンペ」開始直後に中止 「権利関係の認識に不足」
クラウドワークスは、東京五輪のエンブレムのデザイン案を一般クリエイターから広く募る「エンブレムデザイン 自主企画コンペ」を、開始直後に中止した。
クラウドソーシングサイトを運営するクラウドワークスは9月2日、2020東京五輪のエンブレムのデザイン案を一般クリエイターから広く募る「エンブレムデザイン 自主企画コンペ」を、開始直後に中止した。「権利関係の認識に不足があった」ため、企画を取り下げたという。
9月1日にアートディレクターの佐野研二郎さんがデザインしたエンブレムの取り下げが決まったことを受け、行われた企画。誰でも応募できるオープンなクラウドソーシングの形で「社会全体で共感を得られるデザインの創出を支援する」とし、9月2日〜10月1日にデザインを募集、投票で最優秀作(1作品・賞金20万円)、優秀作(10作品・賞金2万円)を決める予定だった。
2日午後2時半ごろに特設コンペページを設置したが、オープンから1時間弱で募集ページを削除した。その後、同社は吉田浩一郎社長名で、「権利関係の認識に不足があった」などと記した謝罪文を公開。同社の担当者によると、「当社の自主企画として進めていたが、この企画が当社の宣伝行為とみなされた場合、日本オリンピック委員会(JOC)の規定に抵触する可能性があると当社で判断した」ため、関係者で協議し、中止を決めたという。
コンペへの応募は数件あったといい、「関係者の皆さま、企画にご応募いただいたユーザーの皆さまにご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪している。
東京五輪の大会組織員委員会は、新しいエンブレムデザインの公募を近く始める予定だ。
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