人工知能「東ロボくん」、センター試験模試で「偏差値57.8」 数学と世界史は偏差値60超え
東大合格を目指す人工知能「東ロボ」くんが、大学入試センター試験模試で偏差値57.8を記録。数学と世界史の計3科目を偏差値60を超える好成績を収めた。
国立情報学研究所(NII)は11月14日、人工知能(AI)プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」で開発された「東ロボくん」が、大学入試センター試験模試で偏差値57.8、数学と世界史の計3科目で偏差値60を超える成績を記録したと発表した。
「ロボットは東大に入れるか」は、NIIと大学や企業、研究機関による共同研究プロジェクトとして2011年度にスタート。科目ごとにチームを発足し、AIの総称「東ロボくん」が16年までに大学入試センター試験模試で高得点をマークし、21年には東京大学の入試を突破することを目標に掲げている。
ベネッセコーポレーションの協力で、6月実施の進研模試「総合学力マーク模試」を受験。5教科8科目で511点(全国平均416.4点)を獲得し、偏差値は57.8だった。この成績は、私立大学の441大学1055学部、国公立大学の33大学39学部で合格可能性80%以上に相当するという。
特に富士通研究所と名古屋大学による数学チームが「数IA」で偏差値64(前年46.9)、「数IIB」で65.8(同51.9)、日本ユニシスが「世界史B」で偏差値66.5(同56.1)――と、計3科目で偏差値60を超え、前年を大きく上回る成果を収めた。
論述式で行われる2次試験に向け、駿台予備学校「東大入試実戦模試」の一部科目も受験。初めて世界史に挑戦し、偏差値54.1を記録した。
入試問題は、問題文を解析する自然言語処理をはじめ、さまざま技術が求められる総合的な課題で、点数と偏差値により成果を定量的に評価できる。大学入試問題への挑戦を通し、「AIが人間に取って代わる可能性のある分野は何か」を考える際の指標、AIの進化の客観的なベンチマークを指し示すこと――がプロジェクトの狙いだ。
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