Apple対Samsungの米特許訴訟、Samsungが5億4800万ドル支払い認めるも和解には至らず
AppleとSamsung Electronicsが2011年から米国で争っている特許訴訟をめぐり、両社は11月に和解協議を行ったが和解には至らなかった。SamsungがAppleに5億4800万ドルの賠償金を支払うことで合意はしたものの、SamsungはAppleから返金される権利を保持すると主張し、Appleはこれを認めなかった。
米Appleと韓国Samsung Electronicsは12月3日(現地時間)、2011年から続いている米カリフォルニア北部地区連邦地裁(サンノゼ)での特許争いで、地裁に共同の事件管理書面(Joint Case Management Statement)を提出した。米Forbes他、米メディア各社が報じた。
事件管理書面とは、裁判の当事者同士が協議した会合に基づいて提出する共同報告書。この書面は両社が11月2日に行った和解協議の結果の報告書だが、「和解にはいたらなかった」とある。
書面によると、この協議でSamsungはAppleに、5月に米連邦巡回控訴裁から科された賠償金5億4800万ドル(約675億円)を12月14日までに払うことに合意した。
だがSamsungは、「米特許商標局(USPTO)が争点となっている特許の有効性を検討した結果あるいは最高裁判所への上訴の結果によっては、Appleから返金される権利を保持する」としている。
一方Appleは同じ書面で、「AppleはSamsungが主張する返金の権利に反対している」としている(事件管理書面には、見解が相違している事項について個別に示す必要がある)。
Apple対Samsungの特許訴訟合戦は、2011年4月にAppleがSamsungのGALAXYシリーズのスマートフォンとタブレットがiPhoneとiPadの特許を侵害しているとしてSamsungをカリフォルニア北部地区連邦地裁に提訴したことを皮切りに、世界各国で繰り広げられてきた。両社は昨年8月、この最初の裁判以外の各国で争っているすべての特許訴訟を取り下げた。
カリフォルニア北部地区連邦地裁での裁判では、2014年3月にSamsungに対して9億3000万ドルの損害賠償を命じる確定判決が下ったが、連邦巡回区控訴裁判所の5月の控訴審で5億4800万ドルに減額された。Samsungは7月、巡回控訴裁にこの賠償金の減額を求めたが棄却された。
関連記事
- AppleとSamsung、日本含む米国外で特許訴訟取り下げに合意
AppleとSamsungが共同声明で、米国以外で係争中のすべての特許訴訟を取り下げると発表した。米国での訴訟は継続する。 - Apple対Samsung裁判、Samsungへの賠償命令はわずか1億2000万ドルの評決
AppleとSamsungがカリフォルニア州サンノゼの連邦地裁で争う特許訴訟で、陪審団は両社に一部の特許侵害があったとし、Samsungに1億1963万ドル、Appleには16万ドルの損害賠償を命じる評決を下した。 - Samsungに2.9億ドル賠償命令 米地裁評決 Appleへの賠償金、合計9.3億ドルに
iPhoneの特許を侵害されたとしてAppleがSamsungに賠償金を求めた訴訟の再審理で、陪審団はSamsungに2.9億ドルの支払いを命じる評決。Samsungが支払う賠償額は合計9.3億ドルという巨額になった。 - Apple対Samsungの特許訴訟、Appleに有利な評決
Apple対Samsungのサンノゼ連邦地裁での特許訴訟で陪審団が下した評決は、SamsungにAppleへの10億5000万ドルの賠償金支払いを命じるという圧倒的にAppleに有利なものとなった。 - AppleとSamsung、両社CEOによる和解交渉開始へ
Apple対Samsungの世界各国での訴訟合戦の発端となったカリフォルニア北部地区連邦地裁での特許訴訟で、両社のCEOが和解に向けた話し合いを開始する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.