小説原稿を2年間放置? 一迅社が謝罪 著者が「らちがあかない」とTwitterで訴え
2年前に原稿を送った小説がいまだ刊行予定も明らかにされないとして著者が怒りの声。出版元の一迅社は「管理不足」と謝罪し、制作を進めるという。
一迅社は2月4日、小説「停電少女と羽蟲のオーケストラ」続巻が約2年にわたり刊行が遅れているとして、「弊社の管理不足」と謝罪し、発売に向け制作を進めると発表した。著者の諸口正巳さんが自身のTwitterで原稿を約2年前に送ったことを明らかにしており、出版社側で進行が止まり、再三の催促にも音沙汰がない――と批判していた。
同作品はインディーズレーベルCDレーベル「IM」から発売されたドラマCD作品を下にしたノベライズ版。1巻は一迅社から14年1月に出版され、同年6月に2巻が発売された後、刊行がストップしていた。
著者の諸口さんは2月2日、自身のTwitterで「だめだわ。これは。らちがあかない。このまま何もせずにいたら何も変わらない」と、3巻の原稿を14年3月31日に出版社側に送付していることを明らかにした。担当者に再三メールで確認したものの、「スケジュールを再調整してのちほどご連絡します」と返信を受け続けていたという。
諸口さんは「『滅びろ一迅社』とまでは言わないけど、『いったいどうしたいんでしょ一迅社』と言いたいところです」と怒りを露わにしている。
監修元の「IM」も、一迅社から発売予定のドラマCDについて「2014年中に納品をしております。また、小説に関しても原作者により監修は済んでおります」「弊社からも一迅社さんに再々問い合わせ、及び催促をしておりますが、明確な事情は説明されず、また公の場に公開されておりません」と説明し、出版社側で制作が止まっているとの認識を明らかにしていた。
一迅社は4日、小説本文原稿の制作・監修とドラマCD音源の制作は完了しており、発売に向け進行するという「お詫びとお知らせ」を掲載。進行の滞りは自社の「管理不足」とし、発売日などの情報は決まり次第報告するとしている。
諸口さんには担当者と社長それぞれから謝罪と刊行の約束の連絡があったという。自身のブログでも一連のツイートを埋め込む形で経緯をまとめ、「わたしが取った行動は反則だったかもしれません。でも声を上げたことで事態が良い方向に動き出したのだとしたら、悔いはありません」と結んでいる。
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