新生「第1期 電王戦」は4月に中尊寺、5月に延暦寺で 山崎隆之叡王とPONANZAが対局
山崎隆之叡王とPONANZAによるプロ棋士とコンピュータの対局「第1期 電王戦」が4月9〜10日に関山中尊寺、5月に比叡山延暦寺で行われる。
ドワンゴと日本将棋連盟は2月9日、山崎隆之叡王とPONANZAによるプロ棋士とコンピュータソフトの2番勝負「第1期 電王戦」を、第1局を4月9〜10日に岩手・関山中尊寺、第2局を5月21〜22日に滋賀・比叡山延暦寺で開催すると発表した。
「電王戦」と銘打った人間とコンピュータの対局シリーズは5度目。直近3回は5対5の団体戦で行ってきたが、今回からプロ棋士による新棋戦「叡王戦」とコンピュータ将棋ソフトの大会「電王トーナメント」の優勝者同士が2番勝負で対局する形式に変更になった。
電王戦はこれまでも歴史ある建物を対局会場としてきたが、今回はいずれも世界遺産の寺院に。持ち時間は8時間、初めて2日制を採用するなど、さながらプロのタイトル戦のような様相だ。
山崎隆之叡王は、対局するPONANZAの研究をスタートした今の印象について「コンピュータ将棋の実力が自分の認識よりもはっきりと先にあることは正直感じている。これと言った弱点もなく、強さの底がまだ分からない。これから知っていかなければ」と意気込む。
対するPONANZA開発者の山本一成さんは「2日制はコンピュータにとって初めての試みなので楽しみ。挑むからには勝ちたい。自信はあります」と、前年からの進化を語った。
安倍晋三首相や元チェス世界王者ガルリ・カスパロフ氏が行ってきた先手・後手を決める振り駒は、今回はロボットのPepperが担当。「今日のために練習してきましたが緊張しますね!」と軽快に話しながら、日本将棋連盟の谷川浩司会長のサポートを得て無事に振り駒を行った。第1局はPONANZA、第2局は山崎隆之叡王が先手番となる。
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