学術論文や学生のレポートにおける、他論文やネット情報からのコピー&ペースト(コピペ)は大きな問題となっている。とかくコピペは嫌われがちだが、そのコピペを、崇高で神聖な行為と考える人たちもいる。そしてこの考え方が、正式な宗教として認められている。
コピミズム伝道教会は、情報の共有を神聖視するコピミズムを信奉する人々「コピミスト」の集まりだ。コピミズムでは、すべての情報はコピーされ、ペーストされ、結果として共有されなければならないとする。その象徴として、Windowsのショートカットキーであるcrtl + C(コピー)とctrl + V(ペースト)を神聖視する。他のコピー&ペースト手段、たとえばMacのショートカットキーであるCommand + C、Command + Vについて、どう考えているかは明確ではない。
コピミズム伝道教会は2010年、19歳の学生だったイーサク・イェショーンによって創設された。教会の本部はスウェーデンにあり、信教の自由を保障した同国憲法に基づき、2012年に当局によって正式な宗教団体として承認されている。
「情報は神聖、プログラムは法、コピペは秘蹟」と説くこの「宗教」は、神や超自然的な存在については言及せず、ただコミュニケーション手段としての情報の共有、情報のコピペを掲げている。その「教義」には、ファイル共有ソフトによるデータの共有も含まれているが、この点についてスウェーデン当局は、違法行為の隠れ蓑とならないように釘を刺している。
この「コピペ宗教」に参加したくなった人もいるかもしれないが、教会の日本支部ドメインは、現在は売りに出されている。活動しているのは、スウェーデンの本部とカナダ支部ぐらいのようだ。
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