東京・渋谷区は3月16日と17日、路上のゴミに群がるカラスを、タカを使って追い払う実証実験を行った。カラスを追い払うパフォーマンスを通じて、ゴミが散乱している渋谷の現状を知ってもらいたいという。
以前から、渋谷区では、飲食店などが出したゴミにカラスが群がる光景を問題視する声があり、生活環境整備事業を推進してきた。その一環で、佐賀県武雄市のタカ匠・石橋美里さんが飼育しているタカを使い、カラスを撃退する取り組みを行うに至ったという。
午前6時から7時半にかけ、渋谷センター商店街、道玄坂商店街(渋谷区)をめぐりながらタカを放ち、ゴミに群がるカラスを追い払った。2日間の実験を終え、タカが近付くとカラスが騒ぎ立てたり、ゴミの収集場所に近づかなくなったり――といった効果があったという。
効果を確認した一方で、渋谷区環境政策アドバイザーの松嶋範行さんは「実証実験の継続自体は考えていない」と話す。「今回のタカの取り組みは、あくまでシンボリックな存在。取り組みを通じて、カラスの被害が相次ぐほど、ゴミが散乱している渋谷の状況に目を向けてもらい、ゴミ出しマナーの注意喚起につながれば」(松嶋さん)。
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