Amazon、被災地「ほしい物リスト」運営の実態は 「本当に必要?」疑問の声も
Amazon.co.jpが、熊本地震の被災地の「ほしい物リスト」を公開。現地のニーズを把握できる一方、“ほしい物”の内容に「本当に必要?」と疑問の声も。その運営の実態は。
Amazon.co.jpが、熊本地震で被害を受けた地域の避難所の「ほしい物リスト」を公開している。避難所の担当者が必要なものをリストに登録し、それを見たユーザーが代わりに購入して支援できる仕組みだが、リストの運用方法などには疑問の声も上がっている。アマゾンジャパンに運営の実態を聞いた。
4月21日時点で多数の商品をラインアップしていたが、それらは公開後数時間でほぼ売り切れ、26日時点では多くのリストが空に。SNSでは「支援したいのに買えるものがない」という声もある。また、一部のリストには顕微鏡やゲーム機などの娯楽品が含まれ、「すぐに必要ない物も登録しているのでは?」という指摘も上がっている。
リスト運営は現地の一般人 商品選定・利用状況には「不干渉」
アマゾンジャパンによると、避難所のほしい物リストの運営は現地の一般人に任せており、その判断には“不干渉”の方針だという。
今回のリストを作成したきっかけは、SNS上で「龍田中学校(熊本市)の物資が足りていない」という発言を見かけた同社スタッフが同校校長に連絡したこと。その後、避難所の担当者に「ほしい物リスト」の使用方法を電話でレクチャーし、現地の限られた人(1つの避難所当たり数人程度)が自らリストを作成・公開できる体制を整えた。
26日現在、龍田中のほか武蔵小学校、武蔵中学校(いずれも熊本市)など全10カ所の避難所がほしい物リストを公開している。アマゾンジャパンはあくまで各避難所のリストを専用ページに集約しているだけで、どのような物資をリストに登録するかは、避難所の現地判断に任せているという。
リストの悪用を防ぐため、「本当に必要な物資を登録すること」「理由を明記すること」などを推奨し、現地に派遣した同社スタッフによるアドバイスも行っているという。ただし、一般ユーザーのほしい物リストと同じく、利用状況を逐一監視していないため、「どんな物品がどれくらい届けられているかは把握していない」(同社)としている。
東日本大震災でも活用 自治体と事前連携するケースも
2011年の東日本大震災発生時にも「ほしい物リスト」は活用された。7000以上の避難所や学校、支援団体に対し、10万個以上の物資を送付できる環境を整えた。
今回はアマゾンジャパンから熊本県内の避難所に声を掛けてスタートしたが、緊急時に備えて事前に自治体との連携体制を作っておくケースもある。14年9月には、徳島県と災害時の支援協定を締結。「ほしい物リスト」の使い方マニュアルを県に提供し、避難所ごとの初期設定リスト作成を推進しているという。
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