萩尾望都が1972年から76年にかけて執筆し、マンガ史上最高傑作の1つとされる「ポーの一族」の新作が5月28日に登場する。
少女漫画誌月刊フラワーズ7月号(5月28日頃発売予定)で、読み切り前後編「春の夢」の前編40ページが掲載予定。
ネットでこの情報が流れると、「生きていてよかった」「母に伝えなくては」「母が叫んだ」「母が泣いている」といった声がTwitter上であふれた。
「ポーの一族」は、エドガー・ポーツネルとアラン・トワイライトを主人公とした、「人知れず、永遠の時を生き続ける吸血鬼(バンパネラ)」と現世人たちとの葛藤を、1700年代から1976年までのヨーロッパを舞台に描いた叙事詩的作品。エドガーの妹メリーベルが登場する「すきとおった銀の髪」に始まり、「エディス」で完結となっている。
フラワーズ6月号(4月28日発売)に予告が掲載されており、そこでは「1944年、戦火を逃れてウェールズに来たアランとエドガー。 そこでドイツ人の少女と出会い…」と、第二次世界大戦中のストーリーであることを説明している。
予告のモノクロカットでは、木にもたれかかって空を見上げているエドガーと、彼に寄り添って眠るアランが描かれている。アランは映画「ヴェニスに死す」のビョルン・アンドレセンを思わせるセーラー服姿。
フラワーズ6月号は竹宮惠子の別冊付録「時を往く馬」と、さいとうちほとの対談が掲載。7月号では「ポーの一族」新作以外にも萩尾望都「トーマの心臓」の後日譚2作品「訪問者」「湖畔にて」が別冊付録で、さらに萩尾望都と山岸凉子の対談。少女漫画の新潮流を生み出した「花の24年組」関連の企画が凝縮されている。
「ポーの一族」はこれまでフラワーコミックス、萩尾望都作品集、小学館文庫などいくつかのエディションが発売されてきたが、5月10日にはフラワーコミックスの復刻版と、その限定BOXが発売される。限定BOXはイラスト入りボックスとポストカード8枚が付属し、価格は2800円。
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