人工知能(AI)が自律的に創作した音楽や小説に著作権は発生するのか――政府の知的財産戦略本部は5月9日、「知的財産推進計画2016」を公開し、AIが創作した作品に対応する知財制度の在り方を検討する姿勢を明らかにした。
現行の著作権法は、保護対象を「思想又は感情を創作的に表現したもの」としており、人間が創作した作品、人間がAIを道具として利用した創作物には著作権を認めている。人間がほとんど関与せず、AIが自律的に創作したものは権利の対象とならないというのが一般的な解釈だ。
技術の進化に伴い、人間の作品とAIの創作物を外見上見分けることが困難になっている現状を踏まえ、権利や制度の変更や見直しの必要性を指摘。AIによる創作物が爆発的に増える可能性を懸念し、小説や音楽などのコンテンツでの対応を優先的に検討すべきとしている。
計画では、知財システムの検討と併せ、AIによる創作活動に不可欠なビッグデータの共有・活用をしやすい環境作りも進めたい考えも示している。
創作におけるAI活用は、実験的なプロジェクトも多い。3月に受賞作が決定したSF作家・星新一さんの名前を冠したショートショート文学賞「星新一賞」では、AIが“執筆”した作品が一次選考を通過し、話題を集めた。
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