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がん細胞を放射線で“狙い撃ち” 量研機構、副作用少ない治療薬を開発
副腎のがん細胞に効く新薬を、量研機構が開発。投与した薬剤ががん細胞に到達し、体内で放射線を照射してピンポイントに治療する。
量子科学技術研究開発機構(量研機構)は6月13日、腎臓の副腎に発生するがんに効果がある薬剤を開発したと発表した。投与すると、副腎のがん細胞にたどり着き、ピンポイントに放射線を照射して縮小させる。マウスを使った実験では、がん細胞の増殖を抑制でき、副作用も少なかったという。今後、効果的な治療薬として期待できるとしている。
放射線(アルファ線)を出す物質「アスタチン」と、がん細胞に入り込む性質がある物質を組み合わせた薬剤を開発。体内に投与すると、薬剤ががん細胞に長時間とどまり、アルファ線をピンポイントで照射して治療する。がん細胞を集中的に狙うことで、周りの正常な細胞への影響を最小限に抑えられるという。
研究チームが、がん細胞を移植したマウスに薬剤を1回投与したところ、増殖を約20日間抑制できた上に、7日後までに腫瘍が約半分に縮小した。体重の減少などの副作用はなく、効果的な治療薬となることが期待できるとしている。今後は安全性について、さらに詳細な検討を進める。
成果は、6月15日の米国核医学会で発表される予定。
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