VR普及の糸口は“シート連動型”? 体験機会を増やし「VR酔い」軽減:コンテンツ東京2016
映像と連動し、自分の身体が前後左右に動く“シート連動型”のVRコンテンツが、「コンテンツ東京2016」で注目を集めている。
目の前のVR(仮想現実)映像と連動して、自分の身体も前後左右に動く――コンテンツ関連企業が集まる展示会「コンテンツ東京2016」(東京ビッグサイト、7月1日まで)に座席が動く“シート連動型”のVRコンテンツが多数出展され、注目を集めている。出展企業の担当者は「映像と座席が連動すれば、VR普及の糸口になるかもしれない」と意気込む。
コンピュータゲームメーカーのPROTOTYPEは、実際のバイクを使った「GOD SPEED FREERIDE+」を出展。ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を取り付けたヘルメット被り、切り立った崖をバイクで駆け抜ける映像を楽しめるアトラクションだ。バイクのハンドル、アクセル、ブレーキなどの動きをリアルタイムで映像に反映するほか、座席も振動したり、傾いたりする仕掛けになっている。
映像制作会社のダイナモアミューズメントは、潜水艇の乗員の気分になれる「メガロドン」を出展。映画館のようなシートに座りHMDを装着すると、目の前に深海の映像が広がる。巨大なサメが襲うシーンでは、客席が前後左右に動くとともに、水しぶきや風が当たるギミックを用意している。
リズムゲームやシューティングゲームの操作に合わせ、座席が連動して動く「SIMVR」も登場。X・Y・Z軸の回転に加え、上下にも座席が揺れる。開発したしのびや.comの担当者は「こうした“シート連動型”のコンテンツが、VR普及の入り口になるかもしれない」と話す。
2016年は「Oculus Rift」「PlayStation VR」などのHMDの発売が相次ぎ、「VR元年」として盛り上がりを見せている。SIMVRの担当者は「VRコンテンツは、実際に体験しないと魅力が伝わりにくい。未体験のユーザーが高額なHMDをいきなり購入するとは考えにくい」と指摘する。シート連動型のVRコンテンツをショッピングモールやイベント会場などに貸し出し、幅広いユーザーが気軽にVRに親しめる機会を増やせれば、より普及につながると力説する。
また、3D映像を見ると気分が悪くなる「VR酔い」も、映像と身体の動きが連動することで軽減できるという。「座席とセットにすると、まだ業務用の域を出ないが、よりコンパクト化を目指し、最終的にはゲーミングPCを買うような感覚でコンシューマー向けの市場も狙いたい」(担当者)。
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