「東京で震度7」にびっくり 「ゆれくる」「ウェザーニュース」はなぜ、“誤報”を配信したのか:400万人に“誤報”
「東京湾でマグニチュード9の地震が発生。最大震度7」――1日午後5時過ぎ、「ゆれくるコール」「ウェザーニュース タッチ」などに配信された“誤報”がユーザーを驚かせた。誤報はなぜ起きたのか。
「東京湾でマグニチュード9の地震が発生。最大震度7」――8月1日午後5時過ぎ、スマートフォン向け地震速報アプリ「ゆれくるコール」や「ウェザーニュース タッチ」にこんな警告が配信され、ユーザーを驚かせたが、その後、誤報だったと判明した。
「誤報」はなぜ起きたのか。背景には、「2つ」の緊急地震速報がある。
「警報」と「予報」
気象庁が発表する緊急地震速報には、一般向けの「警報」と、「高度利用者」と呼ばれる予報事業者向けの「予報」の2種類がある。
警報は、最大震度5弱以上・2地点以上の地震計で観測された場合に発表され、テレビやラジオ、携帯電話のエリアメールなどを通じて速報が流れる。2地点以上で確認しているため精度が高く、緊急地震速報と言えば一般的に、こちらを指すケースが多い。
一方で「予報」は、気象庁が予報事業者54社向けに配信しているもので、最大震度3(またはマグニチュード3.5)以上を予測した際、1地点のみで観測した場合でも発表されている。「警報」より情報伝達が速く、鉄道事業者など地震時に緊急対応が必要な業者などが利用している。
今回、「ゆれくるコール」や「ウェザーニュースタッチ」が通知したのは、後者の「予報」だ。気象庁によると、千葉県富津市の地震計データで大きなノイズを観測。ほかの地点では観測しなかったため、15秒後に「キャンセル報」を出し、予報をキャンセルした。ノイズの原因は調査中という。
「ゆれくる」360万人に「誤報」 キャンセルに時間がかかった理由は
「ゆれくるコール」は、気象庁から「予報」を受信した時点で、アプリのユーザー360万人に緊急地震速報を自動配信。キャンセルを知らせたのは予報配信の1時間〜1時間半後だった。「予報事業者に事実確認してからキャンセルを知らせたため時間がかかった」と、運営元・アールシーソリューションの担当者は話す。今後は、アプリにキャンセル報を自動反映させる方法を「気象庁と相談して検討する」という。
ウェザーニューズのスマホアプリ「ウェザーニュースタッチ」の一部ユーザーと、地震アラームサービス「地震津波の会」の全ユーザーにも予報が配信されれた。影響範囲は「数十万人」という。同社は、予報の配信直後に誤報と確認。アプリでは5分以内に情報を削除し、10分以内に取り消しを通知したという。同社も、キャンセル報をアプリに自動反映するよう検討するという。
予報でも「ほとんどは揺れる」 まずは身を守って
「予報が誤報となるケースはまれ。ほとんどは揺れている」――ウェザーニューズの防災・減災担当者はこう話し、緊急地震速報が届いたら原則、「身を守ってほしい」と述べる。
数十秒経っても揺れなかった場合は誤報もあり得ると考え、「冷静な対応をとってほしい」という。「今回の誤報は訓練の1つと考え、予報を受け取った時、自分がどういう行動を取ったか、振り返るといいのではないか」(ウェザーニューズの防災・減災担当者)。
気象庁の担当者も、「緊急地震速報が発表されたら、まずは身の安全をはかっていただきたいのが大前提」と説明。「予報にはキャンセル報も存在し、今回のようにノイズデータでも予報が出る可能性があることも理解していただけたら」と話している。
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