クラウド経由でロボットを賢く NTT東日本「ロボコネクト」始動
コミュニケーションロボットに会話機能などを追加できるクラウドサービス「ロボコネクト」をNTT東日本が発表。介護施設などでの活用を見込む。
NTT東日本は8月30日、コミュニケーションロボットに会話機能やカメラ撮影機能を追加できるアプリケーションを、クラウド経由で提供するサービス「ロボコネクト」を9月1日に始めると発表した。介護事業者をメインターゲットに、高齢者とのコミュニケーションなどで活用を見込む。利用料は月額3000円で、初期費用として契約料800円、サーバ登録料1000円(いずれも税別)が別途掛かる。
ロボコネクトは、NTTグループの音声認識・合成技術「corevo」(コレボ)を用した会話機能をロボットに追加できる。例えば、ユーザーが「今日の東京の天気は?」と質問すると、ロボットが「今日の東京の天気は晴れだよ」と答えるなど、双方向の会話が楽しめるという。現時点では、Vstoneが開発しNTT東日本が9月に発売するロボット「Sota」(ソータ、税別10万円)のみに対応するが、今後は自社ロボット以外に対応する可能性もあるという。
ロボットに「写真を撮って」と話し掛けると、内蔵カメラで撮影してくれる機能も提供する。撮影した写真は、PCやスマートフォンなどから専用Webサイト上で閲覧できる。ロボットのカメラを利用して、遠隔地でPCを使っているユーザーとリアルタイムで会話できる機能も用意。対話中、PCの前にいるユーザーがロボットを遠隔操作して、ポーズを取ったり撮影したりすることも可能だ。
そのほか、キューアンドエーが提供する介護事業者向けのアプリ「Sota レク」との連携も可能。体操やクイズなどの介護施設のレクリエーションで、テレビ画面の映像に合わせてロボットが踊ったり、話したりする。Sota レクはロボコネクトとは別に年額1万4400円(税別)の利用料が掛かる。
NTT東日本は昨年8月、介護施設にSotaを導入する実証実験をスタート。従来の介護施設でのレクリエーションはテレビ映像だけで、高齢者の集中力を持続させることが難しく、介護職員の負担につながっていたが、映像に合わせてロボットが話し掛けることで、高齢者が積極的に参加するようになったという。
NTT東日本ビジネス開発本部の菅光介さんは「ネット利用率が低いシニア層の市場を開拓しようと、介護施設向けのサービスを検討する中で、ロボットを加えれば面白いサービスになるのではと考えた」と話す。将来は介護の領域に限らず、観光案内や企業のプレゼンテーション向けの機能を追加するほか、対応するロボットの種類も増やすという。
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