SpaceXの「ファルコン9」爆発で貨物のFacebook人工衛星も破壊
Facebookがアフリカ大陸へのネット環境提供のために打ち上げるはずだった人工衛星を積んだSpaceXの無人ロケット「ファルコン9」が発射準備中に爆発し、ロケットも人工衛星も破損した。
米宇宙開発企業SpaceXが9月3日(現地時間)にフロリダ州ケープ・カナベラル空軍基地から打ち上げる予定だった無人ロケット「ファルコン9」が1日、発射準備中に爆発した。
今回のミッションは、米Facebookの人工衛星「AMOS-6」を打ち上げることだった。SpaceXは、この爆発でファルコン9および貨物であるAMOS-6が破損したと発表した。
AMOS-6は、FacebookがInternet.orgプロジェクトの一環として、仏通信衛星運営企業のEutelsat Communicationsとの提携により共同開発した通信衛星。打ち上げが成功していれば、アフリカ地域に既存の端末で安価に利用できるネット接続環境を構築できるはずだった。
ネット接続環境提供開始に立ち会うためにアフリカ滞在中のFacebookのマーク・ザッカーバーグCEOは自身のFacebookで、「SpaceXの打ち上げ失敗で、アフリカ大陸の人々にネット接続環境を提供するはずだったわれわれの衛星が破壊されたと聞いて大変がっかりしている。幸い、われわれはAquilaのような別の技術も開発している。今後も破壊されてしまった衛星が提供するはずだったようなサービスを誰もが享受できるようになるまで努力を続ける」と語った。
Space Xのイーロン・マスクCEOは自身のTwitterアカウントで、「ファルコン喪失を引き起こした爆発は、推進剤充填中に酸素タンクの上部付近で発生した。詳細は調査中」とツイートした。SpaceXによると、けが人はいないという。
米宇宙関連メディアのSpaceflight Nowによると、破損した衛星は2億ドル相当という。
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