米Googleは9月6日、Androidの月例セキュリティ情報を公開し、2016年9月6日以降のセキュリティパッチレベルで多数の脆弱性を修正したことを明らかにした。パートナー各社には8月5日までに通知され、Nexus向けには9月6日、OTA(無線経由)でセキュリティアップデートが配信された。
セキュリティ情報はパートナー各社が全Android端末に共通する脆弱性を優先して柔軟に対応できるよう、「セキュリティパッチレベル2016-09-01」「同2016-09-05」「同2016-09-06」に3分割して公開された。
このうちセキュリティパッチレベル2016-09-06には、パートナーへの通知後に発覚した脆弱性の修正パッチが含まれる。具体的には、8月にセキュリティ企業が報告していたQualcommのチップセットに関係する4件の脆弱性のうち、未解決だった2件が今回のパッチで修正された。残る2件は8月までの月例Androidパッチで修正されている。
他にもLibUtilsやMediaserverに存在するリモートコード実行の脆弱性、カーネルやUSBドライバに存在する権限昇格の脆弱性など深刻な脆弱性が多数修正され、計7件が危険度の最も高い「Critical」に分類されている。
Googleによれば、今回新たに報告されたこれらの脆弱性を突く攻撃の横行は、確認されていないという。
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