「群馬県の市職員が格闘ゲーム世界大会で優勝」と虚偽の記事掲載 上毛新聞・朝日新聞が謝罪
上毛新聞と朝日新聞はそれぞれ、「群馬県太田市の男性臨時職員が格闘ゲームの世界大会で優勝した」との記事が事実ではなかったとし、Webサイトから記事を削除して謝罪した。
群馬県の地方新聞社・上毛新聞と朝日新聞はそれぞれ、群馬県太田市の23歳の男性臨時職員が、フランス・パリで開かれた格闘ゲームの世界大会で優勝したとの9月27日付けの記事が事実ではなかったとし、Webサイトから記事を削除し、謝罪した。
両紙がそれぞれ、27日の紙面とWebサイトで伝えた記事では、この男性職員が、9月20、21日にフランス・パリで開かれた総合ゲームイベント「オータムスタンフェスト2016」の格闘ゲーム部門で優勝したと報道。優勝者は賞金300万円か次回大会のシード権が得られる大会で、シード権を選んだ――などと伝えていた。
だが、記事掲載直後からネット上で「オータムスタンフェストという大会は存在しないのでは」との指摘が相次いでいたほか、この臨時職員が9月20日前後、「欧州にいる」として自身のFacebookにアップロードしていた旅行写真が、他のブログなどからの盗用だと指摘されていた。
両紙は27日午後10時までに記事を削除。上毛新聞は28日付けで「【おわび】『格闘ゲーム優勝は虚偽』」との記事を掲載し、27日の記事について「事実無根だった」と説明して謝罪。朝日新聞も28日付けで、27日の記事が「事実ではないことが分かった」とする訂正・謝罪文をWebサイトに掲載した。
上毛新聞の「おわび」記事によると、26日に太田市役所で行われた男性の記者会見をもとに記事を作成したが、大会開催について疑念が指摘され、27日に市幹部が男性に事実関係をただしたところ虚偽と判明。男性は「フランスには行っていない。周囲に行くと言った手前、引くに引けなくなった」と話したという。市は男性の処分を検討しているという。
関連記事
- 「白血病の野球部女子マネ」架空の人物だった “ヒマワリで球児応援”報じた茨城新聞と野球クラブが謝罪
白血病で闘病生活を送る野球部女子マネージャーの高校生が高校球児を応援しようとヒマワリを植える活動を行っている──だが女子マネは架空の人物だったことが分かり、記事を掲載した茨城新聞と野球クラブ運営元が謝罪した。 - 毎日新聞の英文記事問題、32社からの無断利用が判明
毎日新聞社はWaiWai問題で、出版社や新聞社計32社の記事を無断で利用・翻訳していたとして謝罪した。 - 毎日新聞、「低俗過ぎ」英文記事問題で内部調査公表 再三の指摘放置、「深刻な失態」
毎日が「WaiWai」問題で3ぺージのわたる調査結果を発表。「hentai」メタタグの背景も明らかにした。英文ニュースは刷新し、編集長を女性に代える。 - 朝日新聞、任天堂に謝罪 公式動画の岩田社長発言をインタビューしたかのように記事に
朝日新聞が掲載したゲーム業界動向についての記事で、任天堂の岩田社長が公式サイトの動画内で発言した内容を記者がインタビューしたかのように掲載していたとして、朝日新聞が謝罪。 - 「対馬市役所が韓国旗を常時掲揚」デマがネットで広がる 同市が否定
「対馬市役所が日の丸とともに韓国旗を常時掲揚している」という写真付きの投稿がソーシャルメディアで広まり、同市が否定する騒ぎになっている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.