「死にたい」検索トップの「welq」の記事、DeNAが広告削除 「不適切」指摘受け
Googleで「死にたい」と検索すると、トップに表示されるwelqの記事に不適切な内容が含まれいる――こんな指摘を受け、DeNAは記事内のアフィリエイト広告を削除した。
Googleで「死にたい」と検索すると、トップに表示される記事に不適切な内容が含まれている――こんな指摘を受け、記事を掲載したメディア「welq」を運営するディー・エヌ・エー(DeNA)はこのほど、記事内のアフィリエイト広告を削除した。記事内容は「規約に違反していない」とし、修正や削除は行わないという。
welqは、ヘルスケアに関するキュレーションメディアで、DeNAが昨年10月にスタート。welqの記事は検索上位に表示されることが多く、急成長しているとみられる。
10月26日現在、Googleで「死にたい」で検索すると、welqの「【死にたいと思ったときに試して欲しい7つの対処法】人生に疲れたな、と思ったとき。自分の深層心理と7つの対処法」という記事がトップに表示される。
記事では、「死にたい、消えたいと思ってしまう深層心理」として、「承認欲求が強い」「責任感が強い・真面目」「一貫性がない」などをあげており、24日までは、転職サイトの自己分析サービスのアフィリエイト広告を掲載していた。
この記事について、SEO(検索エンジン最適化)専門家の辻正浩さんは、「非常にセンシティブなため全力で配慮するべき[死にたい]等の検索で上げるモラルの無いSEOを行っている」「本当に悩んでいる人が読むと追い込まれる内容をメディアが公開している」「それを使ったマネタイズというモラル無い行為」などの問題を指摘。問題点をまとめたTwitterモーメントがネットで反響を呼んでいた。
DeNAによるとwelqは、会員登録した投稿者による記事と運営側が作成した記事で構成されており、この記事は会員による投稿記事だという。指摘を受け、記事から自己分析サービスのアフィリエイト広告を削除したが、記事の内容は「会員規約に違反していない」ため、削除や修正は行わないという。
同社は記事の内容について「読む人によって異なる見方があることは事実。指摘を受け止め、今後のプラットフォーム運営の参考にする」とコメント。アフィリエイト広告については「今後は当社で設置基準を精査し、文脈上不適切ととらえられる箇所へのアフィリエイト枠の設置を制限していく形で検討する」としている。
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