「Amazon Echo」の履歴データに殺人事件の証拠としての提供命令
殺人の容疑者が所有する音声アシスタント「Alexa」搭載「Amazon Echo」の音声データを証拠として提出するよう米警察当局がAmazon.comに要請した。「Alexa、犯人は誰?」と聞いても応えないだろうが。
米Amazon.comの音声アシスタント「Alexa」搭載のWi-Fiスピーカー「Amazon Echo」の音声履歴データが殺人事件の証拠として使われるかもしれない。米The Infromationは12月27日(現地時間)、米アーカンソー州の警察当局が、Amazoznに対し、第1度殺人の容疑者ジェームズ・アンドリュー・ベイツが所有するAmazon Echoの音声データを提供するよう令状を出したと報じた。
Amazonは複数のメディアに対し、「Amazonは有効な法的請求がないかぎり顧客情報を提供することはない。われわれは、過度の広汎性のある要求には当然応えない」という声明を送った。
The Informationによると、Amazonはデータの提供は拒否したが、ベイツ容疑者のアカウント詳細と購入履歴は提供した。当局は、スピーカーのデータを取り出すことに成功したと語ったという。
この事件は、2015年11月、ベイツ容疑者宅を訪問した同僚のビクター・コリンズ氏が浴槽の中で死体で発見されたというもの。Amazon Echoは「Alexa」と呼び掛けてからでないと音声は記録されないが、当局はその履歴が捜査の助けになると考えているようだ。Amazon Echoと連係するIoTシステムで、コリンズ氏が亡くなった夜の午前1時〜3時の間に140ガロン(約530リットル)の水が消費されたことが分かっており、当局はこの水が証拠隠滅に使われたとしているという。
2016年2月に米Appleが米連邦捜査局(FBI)からのiPhoneロック解除要求を拒否したことに続き、ユーザーのプライバシーと安全保障のバランスについての議論が再燃しそうだ。
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