CESの会場に並ぶジャパニーズ“便器” TOTOが仕掛けた“まるでスタンディングオベーション”がシュールすぎる(動画あり):CES 2017
TOTO USAブースには、ウォシュレット一体型トイレが並んでいる部屋がある。中を通ると……?
米国・ラスベガスで開催中の「CES 2017」(1月5〜8日、現地時間)で、スマートホームのプロダクトが集まるエリアの一角にさっそうと便器が立ち並ぶブースがある。来場者が便器の前を通過すると、ふたが次々と開く──そんなユニークな展示を手掛けたのは、水まわり住宅総合メーカー・TOTOの米国法人だ。そのシュールな光景に、来場した外国人からは思わず笑みがこぼれていた。
TOTOのウォシュレット一体形便器「ネオレスト」が、ブース内の細い通路に10台並べて設置されている(鏡によって、延々と便器が並んでいるかのように見える)。人が便器の前を通ると、センサーでふたが次々と自動開閉する演出だ。日本人にとっては当たり前の機能だが外国人にとってはめずらしく、ブース内を歩くと便器たちにスタンディングオベーションを受けているかのような光景も相まって来場者から注目を集めていた。
会場にいたTOTO USA チーフデザイナーの石川雅文さんによれば、6年前に世界最大級の国際家具見本市「ミラノサローネ」で同様の展示を行っており、海外からの評価が高かったことから、今回のCESで復活させたという。
展示されているネオレストは欧州モデル。室内で靴を履く文化があることや、現地人の平均身長が高いことから、日本のモデルと比べて便座の位置が高くデザインされている。一方、便器の着座部分やウォシュレットのノズル角度は日本モデルと同じだそうだ。
なぜTOTO USAがCESに出展したのか
TOTO USAがCESに出展するのは今年が初めて。出展の理由は、スマートホーム分野の業界動向を探るためだと石川さんは話す。
今回出展されたウォシュレット一体型便器は、特にクラウドとの連携機能といったスマートハウス分野の機能は備えていない。ストレートに言ってしまえばトイレの主力モデルを並べただけだ。それでも海外では注目されるというが、ヘルスケアにおける活用など、トイレとIoTなどを組み合わせたソリューションの可能性も考えられる。日本を代表するメーカーとして今後のさらなる発展に期待したい。
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