オフィスのトイレ空き状況、スマホでリアルタイムに確認 「お腹虚弱体質」なエンジニアがIoT駆使して開発
お腹が痛くて会社のトイレに駆け込んだら個室が満室――そんな状況を救ってくれるかもしれないアプリが、リクルートグループのオフィスで運用されている。
お腹が痛くてトイレに駆け込んだら、個室が満室――そんな状況を救ってくれるかもしれないアプリが、リクルートグループのオフィスで運用されている。オフィスのトイレの空室状況がリアルタイムに分かるアプリで、空室を確認した上でトイレに行ったり、満室ならほかのフロアのトイレに向かうといったことが可能になる。
リクルートマーケティングパートナーズの小原正大さんとリクルートライフスタイルの望月駿一さん、2人の新卒エンジニアが「IoT(Internet of Things)を駆使」して開発したアプリ。同社のエンジニアなどが更新しているブログでその詳細が明かされている。
小原さんは「お腹虚弱体質」だが、オフィスのトイレの個室は満室のことも多く、「近くで個室の開いてるトイレがあらかじめ分かれば最高」と考えて開発に着手したという。
オフィスの男子トイレにある4つの個室に、扉の開閉を感知する自作のセンサーを設置。センサーを超小型コンピュータ・Raspberry Piに接続して扉の開閉情報をAPIサーバに記録し、クライアントアプリを通じてAPIにアクセスすることで、スマートフォンのWebブラウザから一目でトイレの空き情報が分かるようにした。合計で8000円ほどで実装できたといい、センサーに使ったパーツや回路図、Raspberry Pi側の実装やソースコードも公開している。
リクルートグループはビルの23〜41階に入居しているが、現在はリクルートライフスタイルが入居している35階のみで運用中だ。このフロアの男性社員は300人ほどで、75人で1つの個室を使っている計算。サービス開始から1週間で1日のユニークユーザー200人、ページビュー350ほどと、同階の男性社員の6割超が1日に1、2回利用している計算になったそうだ。
ブログでは、このサービスを通じて取得したデータをもとに、時間ごとの満室状態の変化や、個室滞在時間のグラフを公開。「満室状況が可視化されることで、できるだけトイレを譲り合っていけるような体制が自然と生まれてくれば」と小原さんは期待している。今後、空き個室のあるフロアへの誘導や、個室が空いてきたら通知を送るといった追加機能の実装を予定している。
開発した感想として小原さんは、「デバイスをつくることでWebオンリーでは提供できない価値を身近な人々へリアルな体験として提供することができて面白い」と述べている。
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