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目の難病、iPS細胞で光感知 マウスで成功 理研
網膜変性のマウスに、ほかのマウスのiPS細胞で作った網膜を移植したところ、光への反応が回復することを確認したと理研が発表した。
理化学研究所は1月11日、光を感じる目の組織に異常が起きる「網膜変性」のマウスに、ほかのマウスのiPS細胞で作った網膜を移植したところ、光への反応が回復することを確認したと発表した。人の臨床研究への応用を目指し、研究を進める。
網膜変性は、光を感じる組織である網膜に異常がみられる病気で、視野狭窄・視力低下が起きたり失明につながる。網膜は再生力が低く自然治癒は見込めないという。
理研は今回、網膜変性末期のマウスに、別のマウスから樹立したiPS細胞で作った網膜組織を移植。光を点灯させた5秒後にマウスに電気ショックを与える訓練を行い、光に対する反応が変化するか確かめた。
マウスは、光に気づいて5秒以内に反対側の部屋に移動すればショックを避けられるため、移植によって光がよく見えるようになっていれば、電気ショックの回避率が上がる。実験では、移植後のマウス21匹のうち9匹で、光に対する行動パターンが改善し、電気ショックの回避率が上がった。
今回移植した部分は全体の視野の5%にも満たないため、網膜のより広い部分に移植すれば、回避率がさらに向上するとみている。
また、移植片と移植先の細胞が接触し、シナプスを形成していることも確認。移植後のマウスの網膜を解析したところ、移植部分に網膜全体としての光応答性の反応が検出された。
実験チームは現在、ヒトES細胞やiPS細胞由来網膜でも視機能の検証を行っており、臨床研究への応用につなげる。
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