東芝は2月24日、メモリ事業を分社化し、「東芝メモリ」を4月1日付で設立すると発表した。外部資本の導入では株式の過半数売却を含め検討し、「2017年度のなるべく早い段階」での決定を目指す。
東芝は原子力事業で7125億円の損失を計上する見通しで、資本対策がなければ3月末時点で1500億円の債務超過に陥いる見通し。メモリ事業への外部資本注入が17年度に先送りされたことで、3月末時点に債務超過を解消できず、東証1部から東証2部に変更される可能性が高まった。
分社化は3月30日に開く臨時株主総会での承認が前提。対象は、「ストレージ&デバイスソリューション社」が担当するメモリと関連製品(SSDを含む)の開発・製造・販売など。2015年度の連結売上高は8456億円、連結営業利益は1100億円。
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