公道カートレンタル企業・マリカーが保有する「マリカー」の商標が、任天堂のゲーム「マリオカート」との誤認・混同を意図したものだとして、商標の取り消しを求めて任天堂が特許庁に行っていた異議申し立てが1月に棄却されていたことが分かった。特許庁は「『マリカー』は『マリオカート』の略称として一般に広く知られていたとまでは認められない」と判断し、異議を退けた。
判断は1月26日付け。任天堂はその後2月24日、マリカーが同社の著作権などを侵害しているとし、東京地裁に提訴したと発表している。
「マリカー」の商標を登録したのは、公道カートとマリオのコスチュームなどをレンタルするサービスを提供しているマリカー(東京都品川区)。15年5月、自動車などのジャンルで「マリカー」の商標を出願し、16年6月に登録された。
これに対して任天堂は同年9月に異議申し立て。「ゲームの世界では『ドラクエ』『ポケモン』など略称が流通することがあり、『マリカー』は任天堂のゲーム『マリオカート』の略称として広く知られている。マリカーの商標は、マリオカートとの誤認・混同を意図している」とし、商標の取り消しを求めた。証拠として「マリオカート」の略称として「マリカー」が使われているブログや雑誌記事の見出しなどを提出していた。
特許庁は、これらの証拠から「マリカーがマリオカートの略称だと相当程度知られていたことは認められる」としながらも、「マリカー」と「マリオカート」が併記されているケースも多いことなどから「一般に広く認識されていたとまでは認められない」と判断。「マリオカート」と「マリカー」は文字数も異なり、混同のおそれもないとし、任天堂の訴えを退けた。
特許庁の判断の詳細は、「審決速報」で「2016-900309」を検索すれば確認できる。
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