ドッキングステーションって何のためにあるの? 実は「アレ」が優れている:“中の人”が明かすパソコン裏話(2/2 ページ)
メーカーの中の人だからこそ知っている“PCづくりの裏話”を明かすこの連載。今回はドッキングステーションについて考えます。
人間の頭の重量は、ボーリングの玉ほどの重さがあるともいわれています。それほどの重量物を前かがみの姿勢で長時間支持すると考えれば、首や肩に掛かる負担が容易に想像できるでしょう。
「知らず知らずのうちに疲労が蓄積して、肩や腰に痛みとしてあらわれ、徐々に仕事の効率が落ちていく……」そう考えると、作業姿勢が及ぼす影響は軽視できません。こうした環境を改善するときに、ドッキングステーションが役立ちます。
ドッキングステーションに外部ディスプレイとキーボード、マウスを接続することで、デスクトップPCと変わらないレベルの快適な作業姿勢が実現できるのです。
ポイントは、なるべく背筋が真っすぐ伸びるように椅子の高さを調節し、ディスプレイの高さやチルト角度もあわせて調節すること。こういった環境を整えると同時に、定期的に姿勢を見直したり休憩をとったり、時には席から立って歩いたり、ストレッチ運動をしたりなど、対策を取り入れていくと気分や体がリフレッシュされ、仕事の効率に良い影響があると考えられています。
下の図はいずれも理想的な状態です。体に快適な位置は人により異なります。また、作業環境(着席または立ち仕事など)に応じても異なりますので、個々の状況にあった環境を整えることで疲労感を軽減していくことが重要になります。
私も仕事をしているときの姿勢があまり良い方ではありません。皆さんも作業姿勢には無頓着という方も多いのではないかと思います。例えばこれがプロのアスリートであれば、こういったわずかな蓄積であっても体調が悪くなり、試合や結果に影響が出てしまう場合があるため、非常に気を遣うでしょう。私たちサラリーマンも規模や内容は違えど、プロのビジネスアスリートと考えてもいいのではないでしょうか。
そんな観点で見ていくと、自分自身のパフォーマンスが最も発揮される作業姿勢や空間を手に入れることはビジネスの世界でより有利な状況や体調で勝負していくことにつながっていくと言っても過言ではないと思います。
いかがでしたでしょうか。何はともあれ人間は「体」が資本です。今回の記事が、最高のアウトプットを得るための作業姿勢・作業環境を見直すきっかけになりましたら幸いです。
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