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日本の科学研究「失速」 Nature記事、Webで全文公開中
工学、分子生物学、コンピュータサイエンスなどの分野で論文出版数が減少していることなどを、取材やデータを基に解説している。
日本の科学研究はこの10年失速しており、科学界のエリートの座を追われつつある――こんな実情をリポートした「Nature Index 2017 Japan」の内容が、Webサイトで全文公開されている。
同誌は、科学誌「Nature」の定期購読者に届けられる別冊。表紙は“現代の魔法使い”こと落合陽一さん(筑波大学助教)の写真だ。
日本の科学技術予算が横ばいで推移する中、若い研究者がフルタイムで働けるポジションも少なく、材料科学や工学、分子生物学、コンピュータサイエンスなどの分野で論文出版数が減少していることを取材やデータを基に伝える記事や、落合陽一さんなどを引き合いに、日本の産学連携を紹介する記事、日本の研究機関ランキングなどが掲載されている。
昨年の「Nature Index 2016 Japan」も、日本でインパクトの高い研究成果が減少していることを指摘していたが、共同研究の増加などにより論文の質をキープしていることにフォーカスを当てて特集していた。昨年分も全記事が無料公開されている。
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