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「エンジニアに無理と怒られた」――熱烈“攻殻”ファンが思い込めた「1/8タチコマ」開発の舞台裏(3/6 ページ)

アニメ「攻殻機動隊」の「タチコマ」を、Cerevoが1/8サイズで再現。音声認識機能を備えるなど、市販ロボットと比べると「やり過ぎた」という高機能な製品だ。そんなタチコマには、社内でも上位に入るほど“攻殻ファン”の開発者の思いが込められている。

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「アニメを見返し、タチコマのせりふを全て書き出した」

 デザインや動きだけでなく、中身も妥協していない。1/8タチコマは、無線LANでネットに接続し、音声認識エンジンと音声合成エンジンを使い、ユーザーが話した言葉の意味を解釈して返答する機能を備える。

 「玩具として考えれば、『こんにちは』などの定型文だけを収録して、ユーザーの特定のせりふだけに反応するものでも、商品としては成り立つ。しかし、決まった言葉しか返答しないのはタチコマではない。僕らはタチコマを作りたかった」(海田さん)

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身振り手振りに合わせ、玉川さんの声でしゃべる

 キャラクターボイスは、アニメと同じく声優の玉川砂記子さんが担当し、600種類以上を録り下ろした。作中のせりふや「こんにちは」といった挨拶など、ユーザーとの会話でよく出るであろうフレーズは、定型文で収録。それ以外は、玉川さんが話した言葉から、音を構成する要素「音素」を抽出し、組み替えて別の言葉を合成する仕組みで再現する。「アニメのタチコマほど流暢ではないが、劇中と同じ声で話すようにはなった」。

 作中のせりふを収録するために「アニメシリーズを見返し、タチコマがしゃべっているせりふを全て書き出した」(海田さん)。収録せりふは、同アニメ脚本家の櫻井圭記さんが監修し、「ちょっとお腹すいたなあ。どっかに電源ないかな?」(バッテリーが切れそうなときのせりふ)など、アニメでは出て来ないが、汎用性が高いフレーズを追加してもらったという。「櫻井さんが考えたせりふだからこそ、よりリアルで、間違いなくタチコマの言葉になっただろうと思う」。

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