「今期の連結営業利益は5000億円(前年比73%増)になる見込みだ」――ソニーは4月28日、2018年3月期の連結業績見通しを発表した。プレイステーション 4をはじめとするゲーム事業や、熊本地震の工場被災から回復しつつある半導体事業などが収益を押し上げ、過去最高益の5257億円(1998年3月期)に迫る高水準となる見通しだ。
好調なゲーム事業、映画事業の手痛い減損
同社が発表した2017年3月期連結業績は、売上高が7兆6033億円(前年比6.2%減)、営業益が2887億円(前年比1.9%減)にとどまった。
ゲーム事業は堅調だったが、映画事業での1000億円を超える減損が響いた。同社の武田和彦経理担当は「PS4 ProやPlaystation VRなど、新ハードの販売は好調だった。まだ売り上げ全体に与える影響は小さいが、今後も成長が期待できる」とした。
モバイル端末事業の売上高は前年比32.7%減の7591億円だったが、為替の好影響もあり、営業益は前年を716億円上回る102億円となった。
吉田憲一郎副社長は「ソニーはエンターテインメントの会社。これからもコンシューマー向け商品、サービスを軸に取り組んでいく」と話す。
1200億円の営業利益見込む「半導体」に期待
過去最高水準に迫る業績予想の根拠はどこにあるのか。その大きな要因は、18年通期で1200億円の営業益を見込む半導体事業だ。
カメラモジュール製造子会社の売却や、熊本地震で被災した工場の回復などが損益改善を後押しすると見込む。スマートフォン向けイメージセンサーの売上高も拡大する見通しだ。
吉田副社長は「ミドル〜ハイエンド向けスマホの市場は今後も伸びていくだろう。デュアルカメラ搭載スマホの存在やインカメラの高性能化も追い風となっている」と説明し、モバイル端末事業にも引き続き注力していく姿勢を見せた。
関連記事
- 劇場版SAOとソニーのコラボヘッドフォン、予定より早く販売終了 「想定を大きく上回る注文があった」
期間限定で販売した劇場版SAOとソニーのコラボヘッドフォンが、「想定を大きく上回る注文があったため」、予定より早く販売終了した。 - 「紙のように読み書きできる」 世界最薄・最軽量のA4電子ペーパー端末、ソニーが発売
新規開発のノンスリップパネルを採用し、より紙に近い書き心地を実現したという。 - 「銃型デバイスで魔法発動」「テレパシーが聞こえる」――アニメ「魔法科高校の劣等生」の世界観、ソニーが最新技術で再現
昨年に続き、ソニーが「AnimeJapan 2017」に出展。「魔法科高校の劣等生」の世界観を再現し、来場者の“魔法力”を判定するというアトラクションを用意した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.