“ロボット大喜利”開幕 人工知能がボケる 来場者の表情でウケたか判定:ニコニコ超会議2017
昨年に続き、ロボットが大喜利に挑戦するデモを、NTTがニコニコ超会議に出展。人工知能(AI)技術を活用し、来場者のお題に「真面目に面白い回答」を返すという。
「こんなNTTは嫌だ! どんなNTT?」「示談で解決する」――コミュニケーションロボット「Sota」が大喜利に挑戦する「超ロボット大機利」を、NTTがドワンゴのイベント「ニコニコ超会議」(4月29〜30日、千葉・幕張メッセ)に出展している。
来場者がお題「こんな○○は嫌だ! どんな○○?」を出すと、5台のSotaが「真面目に面白い回答をする」(同社)というデモンストレーション。NTTの人工知能(AI)技術「corevo」を活用して答えを生成し、Sotaに搭載する音声合成技術、対話制御技術などを使って回答する。例えば「こんな超会議は嫌だ! どんな超会議?」→「腹黒い」といった具合だ。
同社は、昨年の超会議で「ロボット大機利」を初披露した。今年は、昨年のデータに加え、プロの構成作家が考えたお題・回答など、約1000のサンプルを学習し、傾向を分析。より多様なお題に対応できるようにしたという。昨年はNTTがお題を用意していたが、今年は来場者が「こんな○○は嫌だ!」の「○○」を自由に考え、それに答える方式にした。
ロボットの回答が来場者にウケたか判断し、より面白い回答ができるように改善する仕組みも設ける。来場者に「面白い」「つまらない」のボタンを押して判定してもらうほか、画像認識技術を活用し、来場者が笑ったかどうか、表情を読み取っているという。
「人に笑ってもらうことは、ロボットにとって非常に重要」――NTTサービスエボリューション研究所の伊勢崎隆司さんはそう話す。例えば、高齢者介護の現場だと、ロボットとの会話が、高齢者によい刺激をもたらす可能性がある。
「決まったお題ではなく、ランダムな言葉が使われる日常生活では、ユーザーの顔色をうかがったり、『いい子いい子』とほめられたりして、ロボットが学習していくことが必要。大喜利の成果を、そうした研究につなげたい」(伊勢崎さん)
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